ジュード総受けでアル→ジュ



「えー、常日頃から猫耳アタッチメントが無いことに不満を抱いていた俺ですが、今日ついに猫耳(黒)を入手することに成功いたしました」

食事中、アルヴィンがおもむろに取り出したのは黒いカチューシャに同じく黒の三角耳がついたアタッチメント。耳はちゃちなプラスチック製ではなく、ちゃんと毛で覆われている。
皆が呆れてため息を吐くなか、唯一こてんと小首を傾げたのは隣に座っているジュードだった。

「それをどうするの?」
「早速ジュードくんに着けてもらおうと思います」
「えぇっ僕!?」
((((GJアルヴィン!!))))

狼狽するジュードを囲んで全員がアルヴィンに向かって親指を立てたのに、ジュードは気付かない。
ちなみに、僕なんか似合わないし、猫耳なんて嫌だよ! と拒否するのに必死なジュードは、全員が鼻血を垂らしていることにもまた気付かなかった。
断固拒否の姿勢を崩さないジュード。だがアルヴィンが他のメンバーに目配せすると、集中攻撃が始まった。

「でもね、黒はジュードが1番似合うと思うんだ」
「私も…猫耳のジュード、見てみたい! …です……」
「僕もー考えただけで照れちゃうー」
「うむ、着けると良いぞジュード。と言うか着けろ!」
「爺になると楽しみが減りますからね。目に潤いが欲しいものです」
「全会一致のようだぜ優等生?」

全員口調はいつも通りだが、明らかに目が爛々と輝いていて怖い。
自分以外の5人と1体に詰め寄られて、ジュードは猫耳とみんなを見比べた。
男として、とりあえず猫耳は嫌だ。犬でも恥ずかしいのに。かと言って殺気だった仲間たちがじっと見つめてくるのは怖い。でも嫌だ。なんだろう、これは新手のいじめだろうか。
仲間たちの異常な様子と理不尽な状況になんだか涙が込み上げてきたのは、別にジュードが悪い訳ではない。

「でも…僕、猫耳なんて嫌だよ……っ」

じわ、と琥珀色の瞳が滲む。と同時に5対の目が一気にアルヴィンの方を向いた。
爛々と輝いた、ではなく、侮蔑と怒りで光る目。あ、なんか前に裏切ったときに似てるな、と口端を歪めるアルヴィン。

「ジュードを泣かせるなんてサイッテー」
「嫌がってるのに…無理強いするなんて、アルヴィン酷いです!」
「ばほー! 変態ーキチクー!! ばほーっ!!」
「うむ、市中引き廻しの刑だな!」
「ではワイバーンを手配しましょうか」

掌を返すとはこのことか。
さっきまでアルヴィンと結託していた仲間たちは、レイアはジュードを抱きエリーゼとティポはアルヴィンの前に立ちはだかり、ミラはなぜか指を鳴らしローエンはワイバーンの準備をしている。
自分も裏切り者のレッテルを貼られても文句を言えないだけのことはしてきたが、これは酷くないだろうか。

「いやでもっ、なあジュード?」
「アルヴィンなんか…嫌いっ」

ぷい、とそっぽを向く少年なら擁護してくれると思ったのに。
ジュードにも見限られたことを確認した仲間たち(と言う名の裏切り者たち)は、更に凄みアルヴィンに詰め寄る。

「さあさあワイバーンの手配が出来ましたよ」

にっこりと笑うローエンにこのどロリコンめと叫びたかったアルヴィンの口は、しかしジュードの口で一瞬だけ塞がれた。

「へっ…!?」
「猫耳は嫌だけど、ピーチパイ作っとくから、ね?」

頑張ってね、と困ったように笑うジュード。
それを直視した瞬間、アルヴィンの意識はホワイトアウトした。
ジュードは天使だ、なら今度は猫耳の代わりに純白のワンピースを買ってこよう。
その意思だけを残して。


鼻血を撒き散らしながらワイバーンによってシャン・ドゥ中を引きずり回されるアルヴィンが通報され、ガイアス王が直々に討伐に赴いたのはまた別の話である。


天使とシャンメリー


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ビスコ様より一万打企画にてリクエスト頂きました
「ジュード総受け(アル→ジュ)でギャグ」でした。

この度はリクエストありがとうございました!

ギャグと言うことで、果てしなくどうでもいい話に…←
そしてアルヴィンが不憫だ笑
楽しんでいただければ幸いですっ

リクエストありがとうございました^^*


※ビスコ様ご本人のみお持ち帰り可です


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