レイ×ジュ♀
※ゆり



ジュードは、どこもかしこも私より小さかった。
私はもともと小柄な方だと思ってたけど、ジュードはもっと小さかった。
身長も、手も足も、爪も、顔も。ただし目は大きいし睫毛も長いし、たぶん脳みそもジュードの方が大きいと思う。
でもまあぱっと見ではジュードの方が私より小さい。いろいろと。

「ねぇジュード。ミラに聞いたんだけどさ」
「うん?」
「胸、おっきくしたいの?」
「え…」

ぴし、と音をたててジュードが固まる。やっぱり、ミラが言ってたのは本当だったんだ。

「Aカップなんだって?」
「なっななななに言ってるのさレイア! 皆の前でやめてよ!!」
「皆って、今ここには私とジュードしかいないじゃん」

宿屋の一室。
アルヴィンとローエンは隣の二人部屋だし、ミラとエリーゼは美味しいものを求めて街に繰り出してる。
ここにいるのさっきまでは本を読んでいたジュードと、私だけ。
ジュードは顔を耳まで真っ赤にして、ベッドから腰をうかせてシーツに潜り込んだ。かわいい。

「べっ別に大きくなくていい!」
「そうなの? 私、良い方法知ってるんだけどなー」
「えっ」

食いついてきた。
体は相変わらずシーツに入ったままだけど、こっちを見る目がきらきらしてる。

「本当だよ? 私はBだし!」
「そ、そうなの…?」
「そうなのだ! ねぇ、教えてあげようか」

私の下心に気付かずに、ジュードはゆっくり首を縦に振った。
AとBなんて大した差でもないのに。て言うか、私は別にそれをやったからBになった訳じゃないし。
それでも信じちゃうのは、ジュードのコンプレックスだからか、私が信用されてるからか。
後者がいいなぁ。

「あのね、まず両手を上に上げてー」
「うんっ」

起こした体からシーツが滑り落ちた。
素直に万歳するジュードは、これでよく知らないおじさんとかアルヴィンに襲われなかったものだと吃驚するくらい無防備。

「そのまま頭上で手を組んで」
「手を組んで?」
「隙ありっ!」

ジュードの細い体に飛び付く。
咄嗟のことで動けないのをいいことに、腰に足を絡めて頭を両手でおさえて、完全にジュードから自由を奪った。

「レイアっ!?」
「ふっふーん最近二人きりになれなかったからね! 触りたい盛りなの!」

常日頃から抱きついたりほっぺにちゅーしたりはするけど、いちおう「恋人」として振る舞うことは我慢してきた。
ミラもエリーゼもそういうことに疎いし、アルヴィンは鬱陶しいし。ローエンは実は私たちのことを知ってて、応援してくれるんだけど。

「ねぇねぇ、どうして胸おっきくしたいの?」
「どうしてって…それは…」

うつむいて何やらもしょもしょ呟くジュードはやっぱり可愛い。
聞かせる気がないのか小声での言い訳の中に私の名前を見つけて、思い切りにやけちゃったのは仕方がないよね。
抱き締めるとシャンプーのにおいにまじって漂ってくる、ジュードのにおい。甘いミルクみたいな、赤ちゃんみたいな香り。

「ね、ジュード」
「なに?」
「私、ジュードが好きだよ」

恥ずかしがっても絶対に私を突き放したりはしない、受け入れて身を寄せてくれるジュード。
蜂蜜色の瞳を覗き込むとジュードも見つめ返してくれて。

「僕も」

唇に触れると真っ赤になる可愛いこの子。
私はこの子に恋してる。

花びらをべる


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もちこ様より一万打記念フリリク「レイア×ジュード」でした!

百合ということで、かわいく(?)やらかい感じを目指した結果…です。
前半胸の話しかしてなくてすみませんorz

書いてて楽しかったですありがとうございました!!

※もちこ様のみお持ち帰り可です


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