Nは伝説のドラゴンに乗ってどこかへ飛んでいってしまった。
城の壁に空いた大きな穴から覗く鮮やかなオレンジは、ゲーチスとの戦いで疲れていた心身に痛いくらいに染み渡る。
強すぎないオレンジの光に向かって飛ぶ影がだんだん小さく、小さくなって、やがて見上げるほど巨大なゼクロムの姿さえ見えなくなってしまってから私は泣いた。
ジャローダがだらりとぶら下がった私の手にキスをして、しなやかな体を擦り寄せて慰めてくれたけど。ごめんね。キスも、ハグも、欲を言えばデートもセックスも結婚も、私は全部あの人がよかったの。あなたも大好きなんだけど、少し違うの。


私をぜんぶあげる
(だからあなたが欲しかった)


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超短文ですが。
Nに会いたくてアデクさん狩りを繰り返したのは私だけじゃないはず笑


 


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