※パロ



おまえをころす、なんて物騒な台詞を吐いて銃を突き付けてきたそいつの手はしかし震えていた。
それの使い方知ってるの、と訊ねれば馬鹿にするな、と返ってきたから馬鹿だもの、と言い返してやった。するとみるみる赤く染まる馬鹿の顔。
お前がどんなに私を憎く思っても殺せる訳ないってことをいい加減に理解した方がいい。こうして得物を向けられるのだって初めてじゃないのだ。ある時はナイフだったり、毒だったり、首を絞められたり今日みたいにピストルだったりしたけれど、どれも失敗に終わっている。
そのたびにこいつの中に新たな憎悪が降り積もって、そしてやがて私への憎しみで一杯になるに違いない。
こいつの中を私で満たせるというのは、例えそれがどんな感情であれ愉快なことだと思う。
未だ安全装置すら外せていない手からピストルを奪い、指で象った銃をこめかみに向けると怒りに燃えていた瞳が絶望一色に変わった。

「また失敗だな」

残念。
おとなしく死んでやれば、罪悪感という気持ちで一気にこいつの心を占領できると私は知っている。だって私たちは親友だもの。
それでもそうしてやらないのは、その瞬間に私がこの世にいなければ意味が無いから。独占するためにこの手を血で汚したのに、無駄骨になってしまうから。
私は、私無しでは生きていけないほど求められたい。伸ばされる指先を取ってやるのが私の役目だ。

得物を足許に投げて、背を向ける。
少しだけ振り返って明日を楽しみにしてる、と告げると馬鹿は大声で泣き出した。


いきたがり


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