※現パロ





結婚指輪とは。
愛を誓うものか。
束縛するものか。
ただの御飾りか。

「いいなあ。俺も欲しい。」
「買ってあげようか?」
薬指をきらきら光らせて、その指で髪を撫でてきた。
「それじゃただのペアリングだ。」
「そっか。なら、素敵な女性を捜すことだね。」
「…最悪だ。あんた。」
責めた。
吐き捨てて、冷たい指輪ごと手を払った。
「ごめんね。」
笑ったまま答える。
負い目など感じられたところで面倒なだけではある。

どうして左手で、
愛撫するの、髪を梳くの、頬を包むの。

女なら泣いてしまえた、か。

皺のよったシーツに身を沈めて再び撫でる手を甘受する。
「あんた、もうちょっと酷い男になっちゃくれねえか。」
「嫌だよ。そんなことしたら君に嫌われちゃう。」
「だよな。」
「うん。」
微笑みが消せないのだ。
あんたの、全部隠しちまう微笑み。
何色にでもなる微笑み。
「やっぱさ…」
「ん?」
「欲しいな。指輪。」
「ずっとは付けててあげられないよ?」
「うん。それでいいよ。」
自分といるときだけでいい。
「わかった。今度買いに行こう。どんなのがいいかな?」
煌々と輝きを失わないそれを、覆い隠したい。
俺とあんたのお遊びリングで。




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