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生徒会長、跡部景吾君。お願いします。
「はい!」
生徒会長であり、この氷帝学園テニス部部長である俺様、跡部景吾は、背筋を伸ばし、颯爽と壇上に立ち、毎月一度行われる集会の挨拶をしている。
「〜であるからにして…」
(…?あいつ、何俺の顔見てクスクス笑ってんだよ。)
どんな場所からだって君を
「おい、みょうじ。さっき!俺様の顔見てクスクス笑っていただろう?!」
俺様に背を向けていたみょうじの肩をぐいっと引き、
こちらを向かせる。
「あ。これはこれは生徒会長のあとべさm…ぶっふー!」
「(この女…!)あーん?何が可笑しいんだよ」
だ、だって!とゲラゲラ笑いながらみょうじは答える。
「いつも偉そうにしてる跡部が敬語で話してるからさぁ…跡部…景吾さん、景吾…が敬語!」
けいごがけいごだよ!なんて言って、まだ笑うのをやめねぇ!この女!
「バカが!くだらねぇ事言ってんじゃねぇ!」
笑いの沸点低すぎるだろ…と思って呆れながらみょうじを見る。
「ひー…ひー…あー、おもしろ…
で?全然話変わるけど、なんで壇上から私のこと見てたの?」
この女…!
「あ?氷帝学園らしからぬおまえの阿呆面が目に入っただけだ!」
全校生徒何人いると思ってるのー!
その中で私のことよくみつけられたね!
ねー!
あとべー!
あとべって頭だけじゃなくて視力もいいんだねー!
なんてゴチャゴチャ言ってるみょうじに
「顔も良いって言え」
と、捨て台詞を吐いてその場を立ち去った
言えねぇ!
どんだけ人がいたってすぐにみょうじを見つけられるだなんて!
そんで、けいご、って呼ばれただけでニヤけちまうなんて。