(青・スコール×アーヴァイン)

「花でもいいんじゃねえ?」

バレンタインに何だか女子力の塊みたいな名前で女子力の塊みたいなチョコレートを貰ったので、そこから先に辿り着いたホワイトデーをどうするか悩んでいたところだった。ホワイトデーに、大切な仲間で大切な幼馴染の一人がバラムにある花屋から花を持って出てきたところに遭遇した。彼は白い薔薇を持っていた。ホワイトデーの贈り物らしい。その姿に図書委員の女子が脳裏をよぎる。ゼルは明るく笑って、花、オススメ!と言って、白い薔薇を片手に去っていった。
残された俺は、確かに花屋の前に立っていた。
花、オススメ!
食べ物を貰って食べたからそのまま食べ物を返すかと思ってバラムの街を歩いていたのだが、俺の足は仲間の言う通りに花屋を潜って行った。
花屋だから花の香りで満ち足りている。花の甘い香りがする。チョコレートとは違う植物の甘さ。そんな中に、赤に白にピンクに黄色に引く手あまたで困ってしまった。色鮮やかな花達は、全部綺麗で、仲間曰く花オススメなだけあった。
悩んでいたら、花屋の店員がカウンターの向こうでうずうずしてるのが見えた。年配のおばさんだ。花についてホワイトデーについて話がしたそうだ。俺に向かって。
花に詳しいであろう店員に素直に助言を求めたらいいかとも思ったが、此処まで来たら自分で花を決めたかった。甘いチョコレートのお返しは花。チョコレートとは違う甘さの花。甘いに別の甘いを返す。バレンタインと対を成すホワイトデーに、甘い。赤に白にピンクに黄色。どれも幸せな色で悩む。と店内をぐるぐる眺めていて。……あっ。赤、白、ピンク、黄色。その中から俺は一つの花を指差し、さっきから話したそうなおばさんの店員を呼んだ。おばさんが来る頃には、その色しか考えられなくなった。



「ホワイトデー、返すぞ」

茎を手入れして貰って、一輪。白い包装紙に包まれた一輪を差し出した。
女子力の塊みたいなチョコレートを先月俺にくれたアーヴァインは、俺が差し出した花を受け取った。

「綺麗な色の花だね、綺麗なお返しをありがとう」

そう言って笑う顔は、チョコレートみたいに甘い。癖はあるけど甘い顔立ちだった。見た目もチョコレートっぽい。髪とか。ああチョコレートっぽい。

「綺麗な青い薔薇。何処で手に入れたの?」
「バラムの花屋」

聞かれたので本当の事を答える。バラムの花屋で赤、白、ピンク、黄色と咲く咲くした景色の中に咲いていた。昔、青い薔薇なんて作れないとか、でも念願叶って作る事に成功したとか、そんな話を少し思い出す。贈った青薔薇は鮮やか過ぎる青だ。

「スコール・レオンハートさんは、どうして僕へのホワイトデーを青い薔薇にしようと思ったのかな?」

ホワイトデーの甘い笑顔はいたずらだった。いじわるな質問を投げているつもりらしい。あんたのそういう笑顔ってもうあんまり通用しないんだが。だって結局は優し過ぎるから。からかっているのかいたずらに笑うアーヴァインに、こちらは別に包み隠すものはない。

「あんたが青いから」

包み隠すものはないから、そのままに告げて、チョコレートみたいな色合いのあんたの、唯一青い場所を指差す。
青色。鮮やかな青色。花を見た時から、これしか考えられないと。チョコレートに青色。あんたの瞳はとても青い。昔には叶わなかった花弁の色がその瞳に追い付いている。青い瞳。青色しか考えられない。

「……スコールは結構ロマンティックだねえ」
「そうか?」
「クールそうにして、急に凄くロマンティック過ぎて参っちゃうよ」

アーヴァインは青い薔薇を抱きながら、参りましたって顔をした。よくわからないが俺はアーヴァインを負かしたようだ。ロマンティック度で。俺は指差す手を降ろした。
アーヴァインは青い薔薇を抱いている。俺のロマンティック度はともかく、チョコレートっぽいあんたに青の花弁がよく似合うから、今日のホワイトデーは植物が甘くて美味しい。

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