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「今日誕生日なんでしょ〜?」
「おめでとう面堂くん」
「これ、面堂さんのために選んだの……よかったら、使って」
「わあ、いいんですか? こんな素敵なもの」
「面堂さんのために買ったんだから」
「ありがとうございます、嬉しいなあ」





「……」

教室の向こうの面堂とそれを取り囲む女生徒達を眺めるラムは、ぶすっ、と頭上に文字が浮かんできそうなほどあからさまに不機嫌な顔をしている。

「ラムちゃーん、そんなつまんなそーにしてないで一緒にあそぼーよ」
「面堂なんてほっといてさー」
「トランプする? 花札する? 麻雀する?」
「面子が足りんな」
「うるさいっちゃー!!」

脇で騒ぎだしたあたるとコースケを、ラムが電撃で一蹴する。
そのまま面堂たちのほうへすごい形相で飛んでいった。

「おまえら、終太郎から離れるっちゃ!」
「な、なによ、ラム。お誕生日のプレゼントくらいしてもいいでしょ!」
「そうよ、わたしたちお祝いしたいだけなのよ」
「だめだっちゃ! 終太郎はうちのだっちゃ!」

ラムが面堂の腕を掴んで見せ付けるように体を引っ付けた。

「ちょっと、離れなさいよ、今わたしたちとお話してたのよっ」

それに対抗して女生徒達ももう片方の腕を引っ張り出した。

「こらこらおやめなさい、両方とも…」

いかんせん女子に弱い面堂は曖昧に笑って困っている。

「ほら、面堂くんが困ってるじゃない! 離しなさいよラム!」
「……うちの終太郎に…」

ラムの剣幕にはっ、とした面堂だったが、そのときにはもう遅かった。

「触るなっちゃーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
「きゃああああああああっ!!!」
「あばばばばばばば」

終太郎の腕を伝って女生徒達までに大電流が流されたのだった。
しばらくの間ビリビリしていた面堂だったがラムが手を離すと何事もなかったかのようにケロリを立ち上がって、ラムのほうを向いた。

「こら、ラム、怖がらせてはだめじゃないか」
「だって…終太郎が悪いっちゃ。他の子とべたべたするから…」
「ばかだなあ。今日はちゃんとお前のために予定を空けてあるんだから、学校でくらい我慢しなさい」
「…………終太郎がそういうなら、仕方ないっちゃ」

ラムの手を取って、熱い視線で見つめながら優しい声で囁く面堂―――すでにそこは2人の世界だった。





「……あいつらもさあ、なんつか、相当のバカップルだよなあ…」
「毎日毎日電撃食らわされる女の子たちが不憫でならんよ俺は」
「俺たちでさえ面堂にうかつに近づけねーし」
「あれじゃどっちが彼氏かわかんねーよな。あ、それロン」
「こら、コースケ! どさくさにまぎれて卑怯だぞー!」
「卑怯もくそもあるか」














「あ、裏2つ乗った…跳ねるなこりゃ」
「はい、親ッパネ18000点〜」
「おいおいおいまだ東二局だぞ!」
「よし、みんなあたるからアガれよ」
「今日のビリには何おごってもらおうか」
「お、ま、え、ら、なあ〜」








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