へたれ。
土方さんがどうしようもなくへたれ。

閲覧注意 
















今まで誕生日に何かをねだった事はなかった。

元々そこまで欲があるわけでもねぇし、何しろ欲しいもんは自分で手にいれる性分だ。
そもそも誕生日にそこまで重点を置いているかと言われればそうでもないわけで。
まぁ、なんだ。
自分で言うのもあれだがつまんねぇ餓鬼だったと思う。

そんな俺が、だ。

この年になってやっと欲しいもんが出来た。
いい年こいたおっさんがなにしてんだと思うんだがちょっとばかし笑えなくてな。
今までの分とこれからの分、注ぎ込んでくれて構わねぇからと馬鹿みたいなことも考えた。

それくらい手にいれたかった。

この手に、納めたいと思った。



共に過ごして数年間。

そんなことばかりを考えていたら俺の重すぎる想いが伝わったのだろうか(表に出したことはないつもりだが)、向こうから俺に近付いて来るようになった。
憎まれ口や生意気な態度は相変わらずだが、気付けば側にいるようになった。
一緒に在ることが当たり前になった。

そりゃ長年の付き合いとなれば当たり前かもしれないが、こいつにとっちゃ珍しいことだと思う。なかなか懐に入れようとしないこいつが、俺にだけは弱音を吐くようになった。

自惚れるつもりはない。

だが、ちょっとぐらいは期待しても、いいだろう?

自分で言うのはあれだが、これでもまぁ好かれる事は多い。顔がいいだの、仕事が出来るだの、言い分は様々だが好機の眼差しっつのはみんな似たようなものだ。自意識過剰と思われがちだがそういった眼差しはすぐにわかる。

……それがあいつからも感じるようになった。

願望のあまりか?と思っていたがそうでもないらしい。
感情を隠すのがこの上なく巧みな野郎だから初めは気付かなかったがこの前の出来事で確信した。

いや、確信したと言うのは少しおかしいかもしれない。
目の当たりにした、と言った方がいいのだろうか。







告白を、された。



思ってもいなかった。

淡い期待はしていたものの、まさか自分と同じ気持ちであったとは思いもしなかった。

嬉しかった。

ずっとずっと手に入れたくて焦がれていたものが掌に落ちてくる















はずだった。




告られてから思い知った現実。

教師と生徒。

絶対的に許されないタブー。



手にいれることだけに必死だった俺は現実を見ていなかった。

もしばれたら?

学校は?

こいつの将来は?

ミツさんになんて言う?

周りからなんと思われる?








俺は逃げた。

弱かった。覚悟が足りなかった。
見もしなかった現実に怖じ気ついて、夢にも見たあいつの手を、掴める掴むはずだった手を、振り払った。














今思えば本当に馬鹿だったと思う。
そんなこと総司もわかっていたはずだ。
わかっていて危険なことだと知りながら、それでも打ち明けてくれた。
それなのに俺ときたら、総司の覚悟を知ろうともせずに心配するふりをして、偽善者気取って離れた。

いい大人が笑える話だ。

これでもまだ忘れられないなんざ救いようもない。












たくさん傷付けた。


陰で泣いていたことも知っている。


思い上がるのも大概にしろと言うならそれでもいい。






それでも─────総司。


















「……俺のもんに、なってくれねぇか?」

















「…馬鹿。遅すぎ、ですよ…っ」

「あぁ。悪い」

「ほ、ほんと…っに?」

「あぁ」

「ほんとにほんとに、僕を…愛してくれる?」

「馬鹿言うんじゃねぇ。…愛してんだよ。ずっとずっと昔からな」

「ひじ、かたさん…土方さん…っ」

「悪い。随分待たせたな」

「ほ、んとですよっ。僕が、僕がどれだけ…」

「あぁ、わかってる。わかってるから…泣くな総司」

















泣かせた分、傷付けた分だけ幸せにすると誓う。

これから生涯、絶対に離さねぇからな。




覚悟しとけよ。


















一生分のBirthday present











。・゚+Happy Birthday土方さんヾ(´∀`)ノ+゚・。



な、はずなのになんだこのどんより感w
笑えない。

あれですね。
即興で書くものじゃありませんね。

え、
別に忘れていたわけじゃありませんよ?
断じて、絶対。



まぁとにもかくにも

おめでとうございます♪



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