五月の詩
君が笑うなら、るらって唄ったただの音にだってきっと価値があって。
意味の探索と価値勘定に命を懸けている僕なんかにはきっと一片の価値すらもありはしない。(かなしいね!)
君が生きているだけで、幸せに、笑っているだけでいい。って思えなくてごめん。いつもそう思っている。
生きているだけじゃ嫌だ。幸せに笑っている。それだけじゃあ、どうしても、嫌なんだ。
僕の隣に居ないなら、君の生も死も幸も不幸も、無邪気で愛くるしいその笑顔にさえ、なんの意味もないよって思う。思ってしまう。
そのことにごめん。って、思うほどに、君は僕から遠ざかっていくね。僕が君から離れていくんだって本当は知っていたよ。
いつかやさしくなりたかった。
僕なんかがここに居なくても、君の価値は揺るがないし。君の生は、死は、超えてゆく幸も不幸も何もかも、ちゃんと尊いんだって。
素敵だね。って、笑ってあげたかった。
君、生まれてくれておめでとう。生きていてくれてありがとう。いずれ死にゆく君には花束を。
そうやってすべてにちゃんと肯きたかった。
君が居なきゃ、空も大地も海も光も綺麗なんかじゃない。汚くて昏い、彩のない世界だって。
思っている僕なんかじゃあ、到底なれやしない。
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