新幹線の詩

屋根の海を眺めて、帰る場所を想う。
隣に帰り着くべき、君のことを想う。
工事現場も走る車も道行く人も、ぜんぶ。
変わらない。何処に居たって同じだよ。
何処にでもある、なんてこともない風景。
同じ顔をした人間達。量産型のあれやこれ。
誰かと誰かが入れ替わっていても、きっと気付かない。
わかるだろ?だって、こんなにも人が居るんだもの。
何処かにきっと、同じ顔で最低な物言いをする、もう一人の僕だって居るんだろうぜ。
それでもいい。構うもんか。
街も人も、何もかも。同じに見える、この世界の上。
君の居るところだけが違って見えるんだ。
とどのつまりは、代わりが利かない唯一無二は君だけで。そのことが嬉しくて、本当は少しだけ寂しくもあって。
探せるかもしれないんだ。違う何かも。
見つかるかもしれないんだ。他の誰かも。
君の隣でなら、他にもあっていいのかもしれないものたちだって探せるよ。
君の隣と決めたから、探しに行けるんだよ。
今も探しものの途中。
少し疲れたから、ほら。
また君の隣に帰るよ。

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