イヴーあれから時間は経ちー

思い出している。
いつしか「おやすみ」を言わなくなったこと、その意味合いさえ、変わってきたことを。
たくさんのことが、巡るひととせの間に変わっていったことを。
それでも、道端に落ちている様な何てことない幸せを、一緒に探せるのは変わらずに君ひとりだけだ。君が居るから、わたしの世界には色が光が溢れている。照らされている。
君が居ることで初めて、その総てが意味を持つ。
変わらずにそう在ることがとてもとても嬉しい。
今はたくさんのことを知っている君に、わたしが教えられることはもうひとつも無い。
何も無いわたしはそれでもただ此処に、傍に在り続ける。
新しい明日に向かう君を此処で見送って、すぐにまた隣に立とう。手を繋いでいよう。これからもずっと。
君に出逢って、君が大好きになった。
君が大好きになって、たくさんのものが大好きになった。
だけど結局、そうして得てきた総てよりもやっぱり君のことが大好きだ。
それが今のわたしで、今日までの君の成果なんだよ。
たくさんの「ありがとう」と共に、久しぶりに君にこの言葉を贈ろう。

おやすみなさい。

[ 31/34 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -