あらごしみかん

甘酸っぱい。
それはまるで、これまでとこれからみたいだ。
夏。初めて一緒にそれを手に取った。
ちいさなつぶつぶが残らない様に工夫をした。
これまでのあれこれは、今日までの軌跡。
どんなに甘くても酸っぱくても、それがあるから今日の私が居る。
だから、残したら勿体無いんだって。
これから起こるどんな甘いも酸っぱいも、同じ様に私を作るんだ。
だから、全部飲み込んでしまおうねと。
そんな風に、君と一緒に飲む、それ。
ここぞ!という時に、一緒に飲みたい、それ。
それはいつか、大好きなおばあちゃんのお家でこたつに潜りながら食べた、だいだい色の味。
今はすこしだけ、大人の味。

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