あおいろの血

愛情。
そんな気持ちが心に湧いた瞬間、この手にはナイフが握られていて、視界が血に染まった気がした。
「なんで解ってくれないの」
そんな気持ちが心に湧いた瞬間、この手に握ったナイフは君を酷く切りつけた。
だからほら、目の前に広がるあか。あかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあか。一面のあか。たくさんの人を傷付けた。
想うのは愛。想われたいのも愛。
奪うのも奪われたいのも愛。
解りたいは愛で、解って欲しいも愛。
与えることも、求めることさえ、圧倒的に愛だ。
愛でしかありえない。
だから俗物的な感情。愛。
優しくて暖かい部分だけを残して愛を殺せ。求める愛を殺せ。暴力的なそれを殺し尽くせ。
貴方を、貴女をあなたをきみを君をお前をお前達を傷付ける愛を殺戮しろ。広がる血と脂の海は誰のものでもなくわたしのものだ。
誰よりもやさしくありたいと願った。わたしが捧げる愛が何よりも相手を守るやさしさであれと祈った。
そういう愛に生きてゆきたいと。
だから、暴力的な愛は殺せ。
それでもわたしは君と居たい。
だけどあれ。
あれあれあれ。
わたしの血はちゃんとあかいですか。
あおい様に見えるんですけれど。冷たく凍えたあおいろが見えるんですけれど。これ人ですか。わたしは本当にひとですか。
しあわせのブルーなんて誰かが言った。
嘘を吐くなよそんなのただの化物だ。
わたしの血はあおいです。
わたしは化物です。

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