友達はいらない。
友達はいらない。
遮光性が無いカーテンの様に、間に1枚隔てた柔らかな光があれば良い。
きみとわたしは永遠にカーテンの中外に、はぐれてバラバラ。それで平気。構わないよ。きみだって本当はいらないんだ。きみじゃなくてもいいことばかり。
壁なんて大層なものを作らなくたって良いんだって今なら思う。そんなものがなくても、どうせわたしはきみに心を開いたりしない。
わたしの人生に、きみのために削るわたしのこころなんて1ミリだってありはしないんだ。
だからね。
永遠に開かれることの無いカーテンの中外で、たまにでいい。退屈凌ぎの暇つぶしをしよう。
好きな本や好きな音楽、昨日と今夜のご飯のこと。つまらない職場のつまらない仲間の話。将来に期待していることとしていないこと。そんな他愛の無いで盛り上がって、文字通りに時間を潰そう。
それがきみとわたしの関係。そこそこに仲の良い他人。友達なんかじゃない。
その暇つぶしに、きみのために、多かれ少なかれお金を使い始めた時からわたしたちはビジネスパートナー。きみの時間をわたしはお金で買う。
お金があれば買えるもの。退屈しない時間。寂しくない時間。
お金では買えないもの。友達と愛情、信頼。
お金で解決出来る悩みも望みも最高だって言える。わたしは幸福者だ。
友達はいらない。
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