Clap




相手:奈良シカマル





二月の一大イベントと言えば、女の子ならば誰でも言うバレンタイン
お菓子メーカーに乗せられたといわれても安直だと言われたっていい。
この度、頑張ってチョコを作りました




「……うん、完璧」





自分でラッピングまでして、それを見つめる
彼氏はいるけど最近付き合い始めたばかりで、しかもその彼はあまりイベントには興味がなさそうなので、渡すのもとても勇気がいる…






「…だ、大丈夫だよね」





彼は確かにイベントで騒ぐタイプじゃないけど、あたしだってそうだ。今までクリスマスとかバレンタインとか、そこまで騒ぐような人種じゃなかった

だからこそ、今回はすごく勇気がいるのだ


そんなこと言うなら渡さないなんて手もあるかな、なんて一瞬思ったけれど、さすがにそれは。もしかしたら彼は顔に出さないだけで実は楽しみにしてるんじゃないか。なんて思ったりもする。
そんな葛藤を繰り返した一週間。やっぱりチョコを作ることにした








「……うん、おいしい」




自分用に作ったのを味見してみる。あたしは料理とか得意な方ではないので簡単にトリュフに挑戦。それも味見してみるとまぁまぁイケる





「よーし」






後は渡すだけだ!そう意気込んでその日は眠りに落ちた































どきどきどき

鼓動がいつもより早い。こんなのはAランク任務以来じゃないかな。いや、下手したら居間はそれ以上に緊張してる

14日当日。あたしは今日は午後からのため、朝はゆっくりだ
でも彼は今日は朝から任務があったはず。そのため、あたしは朝から彼氏の家の前に張っている。………こんな彼女居ないよ、普通。




そう悲しくなっていると、家からシカマルが出てきた!








「し、シカマル!」

「んぁ?…お前か。どうしたんだよ、こんな朝早くから」

「あ、えーと。きょ、今日!何の日か知ってる?」

「あん?今日?」




あぁあぁぁあ!!だめだよ、こんな他人任せじゃあ!自分からいかなきゃ!!










「あ、あのねっ!これ、……バレンタイン!!」

「…お、あ、あぁ」

「………、」





あたしの勢いに圧倒されてか、シカマルは少したじろぐ
それでもあたしの出したチョコを受け取ってくれたことがすごく嬉しかった

するとシカマルは



「なぁ、これ開けていいか?」

「へっ、い、今食べるの?」

「だめ、か?」

「う、ううん!全然!」





いつもはこんな態度じゃないのに。なんだか恥ずかしくて押されてる感がハンパないんですけど、

するとシカマルはひとつトリュフを口に入れた







「お、おいしい?」

「ん。んまい。お前味見してなかったのか?」

「い、いや!したよっ。でもシカマルの口に合うかなぁって」

「………」




するとシカマルは少し考えて、すぐもうひとつのトリュフを手にとった
よかった。まずいわけじゃないのね。





「俺としてはもう少し甘くてもいいぜ?」

「え、でも。シカマル、甘いの嫌いじゃなかった?」

「だから、よ」






その言葉が聞こえたか否かのところで、シカマルの唇が触れた





「んぅ!?」

「…っふ」






すると馬鹿みたいにあいた口の隙間からシカマルの下が挿入されて、そこから自分の作ったチョコが入ってきた
それにあたしはただただ驚くばかりで、シカマルにいいようにされるしかなかった

でも、それでも好きな人からのキスはやっぱり嬉しくて、心の中で喜んでいる自分が居た


そんなことを考えていたら、ふと口が離された






「はぁ…ちょ、朝から何す、」

「ん。この方があめーと思ってよ」

「は、はぁ?」







あたしが顔を真っ赤に染めながら言うとシカマルの口元は三日月型に歪んでペロリと舌を出した






「やっぱ、甘かったよ。ごちそーさん」

「…っ!」






その勝ち誇った微笑みに、あたしはまた顔を真っ赤にした。












甘くておいしい キミの唇






前回のシカマルはヘタレくんになってしまったので、今回は勝気なシカマル君。
これで本当に大丈夫かなぁ 笑

 






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -