「はい。じゃあ今日の任務はコレでおしまい!みんなよく頑張ったね。明日は休みだし、ゆっくり休むんだよー。」

サスケが帰って、そのあとをサクラが追いかけて、オレとナルトが残される。ここまではいつもと一緒。

「ねぇ、ナルト?このあと時間ある?」

「あっ、えっと、その…」

あぁ、今日もなの。覚悟はしていたがやっぱり凹む。でもそれも今日で終わりだ。

「またイルカ先生?毎日、毎日、よく飽きないねぇ。そんなに好き?イルカせんせー≠ェ。オレなんかよりイルカさんと居る方が楽しい?」

「どうして、そんなこと、言うんだってば……」

違う。こんなことが言いたいんじゃない。だけど、今まで抑えてきたドス黒い感情が一気に溢れでてきて止まらない。あぁ、そんな、泣きそうな顔しないで。笑ってよ。あの人に向けるような、幸せそうな顔で笑って。

「ごめん。そんな事が言いたかったわけじゃないんだ。あのね、」

「せ、せんせー、あのね、オレ、これからちょっと用があるんだってば。」

「……うん、でも、少しでいいから、」

「だから…!夜、今日の夜!オレんちに来てほしい。」

「え?」

「ダメ、だってば?」

「…行く。必ず行くね。」

「うん、待ってる。」






***

言われた通り、暗くなるまで適当に時間を潰してナルトの家まで来たのはいいものの、あの子の方から家に来て、なんて、一体どうしたのだろう。嬉しいけど、でも、イルカさんとの恋愛相談なんかをされたりしたらどうしよう。そんなの耐えられない。もしそうなら相談にはのってやれない、そう言ってすぐに帰ろう。



「よっ!」

「もう!また窓から入ってきて!たまにはちゃんと、玄関から来いってば!」

「ごめん、ごめん〜。ていうか何、その格好。」

ブーブー文句を垂れてるナルトは何故かエプロン姿だった。可愛いい。ヤバい、可愛いすぎる。

「…せんせー。ご飯、まだだよな?」

「ん?まだだけど?」

「じゃあ、食べる?」

チラリと視線をうつすナルトの姿を追うと、そこには美味しそうな料理がテーブルの上にたくさん並んでいた。あぁ、良い匂いがすると思ったらサンマだったのか。ナルトのエプロン姿が可愛すぎて気づかなかった。

「オマエが作ったの?」

「…うん。」

恥ずかしそうに俯いたナルトの手は絆創膏だらけで、テーブルの上の料理は二人分。ねぇ。オレの為に頑張って作ってくれたって、自惚れても良いのかな?

「ご馳走してくれる為に呼んでくれたの?」

「…せ、せんせーが、いらねーって言ってるのに、野菜持ってくっからっ、でも、オレ野菜嫌いだし、どんどんどんどん野菜が増える一方で、だから、」

「もったいないから一緒に食べようと思ったの?オマエ、料理できたんだねぇ。美味しそう。でも、何でオレ?あ、嫌とかそういう意味じゃないよ?最近イルカさんに良くしてもらってるみたいだし、オレでよかったの?あ、そっか。もうイルカさんには作ってあげたのか。だから次はオレの番ってわけね。」

「………。」

「ナルト?どうした?」

「…違うってば。最近、イルカせんせーと一緒に居たのは料理を教えてもらうためで、…っ、オレは、カカシせんせーに、食べてもらいたくて、せんせーの為に、だから、その、」

夢でも見てるんだろうか。だって、こんな展開、誰が想像した?指に怪我までしてオレのために頑張って料理を作ってくれて。なのにオレは、何も知らずにイルカさんに嫉妬して、あげくの果てにはあの人さえ居なければ、なんて憎んだり。あの人はただ、ナルトに付き合ってくれていただけなのに。ていうかナルトの言動からして、オレは、期待しても良いのだろうか。

「オレ、せんせーのこと、」

「待って、ナルト。その先は、オレから言わせて?」

「え…?」

「オレの為にこんなに美味しそうなご飯作ってくれてありがとう。オレ、ナルトが好きだよ。愛してる。」








(こんな幸せが待ってるなら、辛くて苦しい日々も悪くない。なんてね。)



「なっ、なに、言ってんだってば?せんせー。」

「もう、照れなくて良いよ。先生ちゃんとわかってるから、ね?」

「わかってる、って、何が!?」

「だからー、オマエもオレを愛してるってこと!」

「は!?何言ってんだってば!?愛してねぇしっ!」

「………え?いや、だって、コレ作るために毎日イルカさんに教わりに行ってたんでしょ?指に怪我までして、頑張ってくれたんでしょ?オレ≠フために!」

「そ、それはそうだけど、でも、だからって、好き、とか、なんでそうなるんだってば、」

「…じゃあ、さっき、何て言おうとしたの、」

「え?あぁ、オレ、せんせーのこと、大嫌いな野菜ばっか持ってきて嫌がらせするし、額宛てと口布で右目しか見えてなくてまるで不審者だし、表情わかんねぇからなに考えてるか全然わかんねぇし、堂々とエロ本読んでるし、とにかくどう考えても変な人だとしか思えねぇけど、でも、せんせーがオレのせんせーでよかったって思ってるから。いつもありがとう。≠チて。だから、この料理は感謝の気持ち、ってことなんだけど。だから好きとか、あ、あいしてるとか、そんなんじゃなくて…」

「………………。」

「せんせー?」

「…ナルト。やっぱりオマエはオレを愛してるんだよ。うん、絶対そう。じゃないと普通ここまでしようと思わないよ。ホラ、だって、イルカさんにもこんなことしてあげたことないんでしょう?オレに出会う前から良くしてもらってるのに。ということは、オマエはオレに特別な感情を持ってるんだよ。自覚がないだけ。ナルトはオレが好き。わかった?」

「え、いや…」

「わかった!?」

「………………はい。」



(ずっと君の、特別でありたい。)







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友香さま、この度は素敵すぎる相互イラありがとうございました!遅くなってしまいましたが、御礼文の「イルカ先生に嫉妬するカカシ先生」でございます。
ギャグっぽく、アホなカカシにしようと思っていたのですが何故かシリアスっぽくなってしまいました…Σ(゚□゚;)
なので最後にちょっとギャグっぽく(笑)
友香さまの素敵イラの御礼がこんな駄文で申し訳ないですが、愛はたらふく込めさせていただきましたので宜しければ貰ってやってください(`・ω・´)

ではでは、これからも宜しくお願いします!友香さまだいすきですー(^^)



※返品、書き直しはいつでも承りますっ☆
 
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