恋人がドSなんですが | ナノ
優しさが欲しいなあと呟いてみなさい [ 2/4 ]

今日は物凄く落ち込んでいる。
先日、友人とお洒落なカフェで女子会を開いていたのだが。
其処で当然の如く彼氏の話に花が咲くわけで、私以外の彼氏様はそれはそれはとてもお優しい方々ばかりだった。
誕生日にサプライズをしてもらった、記念日に花束をもらった、優しく頭を撫でてくれる。
私なんて今まで一度たりともしてもらった事のない出来事を嬉しそうに話していたのだ。
メンタルが強い私でも流石に本当に愛されているのか不安になってくるし、其れと同時に滅茶苦茶へこんだ。
マリオが敵にぶつかってステージから転落する勢いでへこんだ。

私だって女の子だ、乙女だ。
たまには優しくされたい。
優しく頭を撫でられてみたいし、花束だってもらってみたい。
誕生日にはサプライズでなくともいいからプレゼントだって欲しい。
優しさが欲しいです太宰くん。
たまにはさ、私に優しくしてくれよ。

「太宰くーん、ねえねえ私ね、君の優しさが欲しいなあ」

ちょっと可愛い子ぶって云った私も悪いのかもしれないけどさ。
そんなゴミを見るような目で私を見るのやめてもらえませんか。
心が痛いです、割と本気で。
そんな変な事を云った覚えはないぞ。
なにその「ゴミ風情が何云ってんの?」みたいな目は。
うるせーよ、ゴミにだって優しさが必要な時もあるんだよバーロ。
やべ泣きそうになって来た。
そろそろその目をやめないと本当に泣いちゃいますよ。
メンタル強いとか云ったけど、本当は豆腐メンタルだよ私。
ちょっと力を加えただけですぐぐちゃぐちゃになるメンタルなのだよ。
だからその目を今すぐやめなさい。
お願いしますやめてくれ。

「変なものでも食べたのかい?全くあれ程拾い食いはしてはいけないと云っておいたのに。君には学習能力ってものがないのかね」
「扱い酷くない?私は君の彼女ぞ?」
「低能な彼女を持った覚えはないのだけどねえ」

私は優しさが欲しいと云ったのだ。
なのに何で真逆の事をされてるの。
優しさは何処いった。
おーい、太宰の優しさ帰っておいで。
これ以上虐められたら私のメンタルが死んじゃうぞ。

本気で私は若しかして太宰の彼女ではないのかもしれないと疑ってしまう。
彼女には普通優しくするものじゃないのか。
今度中也君に聞いてみよう。
きっと彼は素晴らしい彼氏をしているに違いない。
中也君に彼女がいるかは知らないが。

絶対こんな糞みたいな彼氏、世界中何処を探しても太宰しかいないだろう。
何でこんなのの彼女になってしまったのか。
今更何を云っても仕方がない事なのだが。

「もうちょっと優しくしてくれても罰は当たらないと思うよ」
「なまえに優しくするくらいならミジンコに優しくした方が得がありそうだ」
「太宰は女性に優しい紳士なんだよね?」
「もちろん、私は女性(なまえ意外)には優しいよ」

おいこら、括弧内何だよ何なんだよ。
私だって立派な女性だわ。
まじでお前が変なものでも食べたんじゃないの。
例のキノコ事件みたいにさ。
優しくしてって云ってんのに悪化して如何すんの。
私はミジンコ以下とか何なの。
もはや人間ですらねーよ。
畜生、この悪魔め。

どうやら太宰に優しさを求めた私が間違っていたようだ。


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