a parent feeling



「えへへー、しずちゃーんっ」


甘えたような声が聞こえたと思えば、目の前で臨也が静雄に抱き着いた。
そんな光景を目にした俺は自分でもわかるようなデカイ溜め息を吐いた。
今日は偶然かそれとも誰かの企みか、同級生の俺等4人の予定が合った。
つまり、皆暇だったんだ。
いい機会だから、と久々に4人で呑みに来たワケだ。


「ねぇねぇ、シズちゃんはなんでシズちゃん?」

「手前がそう呼ぶからだろ」


最もな答えを返す静雄に少し意外だとか思いつつ、臨也に視線を移す。
すると臨也は既に出来上がった様子で、先程から隣の静雄に絡んでいる。


「大丈夫か、臨也」

「ドータチーンっ」


声を掛ければ、酔いの所為で潤んだ赤い瞳が此方を向いた。
そしてニコリと満面の笑みを浮かべると、膝立ちのまま俺の横まで移動した。


「ドタチーン」

「その呼び方やめろよなぁ……」


はぁ、と再び溜め息を吐けば、臨也は1人楽しそうに笑っていた。

あ、言い忘れてたけど、新羅は「セルティが心配だからやっぱり帰る!」とか言って飛び出して行った。
それは開始3分後のことだった。


「あぅー……」


少し自分の世界に行っていた俺は、臨也の唸るような声で現実に引き戻される。


「どうした?」

「んー……眠い……」


……典型的な酔っ払いかよ。
なんて考えてるうちに臨也は俺の膝を枕代わりに寝入りやがった。
足動かせねぇんだが……。


「門田」


無意識に膝上の臨也の頭を撫でていれば、静雄の声がした。


「……どうした?」

「手前、臨也のこと……す、好き……なのか?」

「…………は?」


今、何を言われたのか一瞬理解出来なかった。
俺が、臨也を、好き?
そりゃ、いい腐れ縁仲間だとは思うが……。


「それは、どう言う意味で?」

「……任せる」


いや、任せられても困るんだが……。








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