黄色い花に秘めしこと
恋が叶う季節、なんて。
ありはするのだろうか。
「あれ、相馬さんだー」
普段のバイトの時間より少し早く休憩室に入れば、今から出るのであろう種島さんと鉢合わせた。
「おはよう、種島さん。これからホール?」
「うん! ……あれ、」
いつもの明るい笑顔を見せてくれたかと思えば、ふと首を傾げた。
その視線は俺の手元を見つめていて。
「相馬さん、それって……?」
種島さんの視線の先にある物、それに俺も目を移す。
微かに匂いのする"それ"は、美しい黄色い花を持っていて。そこにあるだけで結構な存在感がある。
「お花なんて、珍しいね」
「……うん。ちょっと、目に入ったもんだから」
黄色いチューリップの花。
チューリップの季節には少し早いけれど、それは確かに色付き始めていて。暖かい場所に置いておけば、花が開いてしまうんじゃないかとも思えた。
「種島ー」
「あ、はーい! 相馬さん、また後でねっ」
遠くで店長の声がする。それに引き寄せられるように種島さんは俺に挨拶すると走り去って行った。
適当なグラスにチューリップに挿す。一輪挿し、と言うのはこんなにも儚いものだっただろうか。前はもっと、凛々しいような気がしたのに。
黄色いチューリップの花言葉。
それは今の俺を表しているようで。今考えてる人のことで。
「近くにいるのに、遠い」
黄色。それはあの人の髪と同じ色。
でも一輪……1人なのは、きっと違う。彼の周りにはいつも人が絶えないから。
俺も、その1人にすぎないのだけれど。
「おはよう、佐藤くん」
1人なのは、俺の方か。
伝えられない
(君には気付かれてはいけない)
伝えられないのは僕の文ですすみません。
要さんの書く花言葉を使った小説が綺麗だったので、勝手に便乗させて頂きました。
シリアスな文が素敵と褒めて頂いたのに、なんか思うようにいきませんですた。
やっぱり僕は考えて書いちゃいけないんだと再確認しました。
思い付きのが書けるとかなにそれ。
取り敢えず花言葉とかもう本当やめときゃよかったごめんなさい。
結論:季節が早過ぎる。