「あっつー」
「本当にあつ…あついあつい言ってるから暑くなるんじゃないんですか？」
「今どう見ても自分も言ってたよね…じゃあたとえば何て言えばいいの？」
「寒い寒い」
「…またベターな…」
「効果あるかもしれませんよ」
「…ねえ」
「はい？」
「あついなら手、離せば？私も梓くんも汗すごくない？」
「といいつつなまえ先輩もしっかり手握ってますね」
「だって梓くんが離さないから」
「じゃあ僕離しますよ」
「せーのでいこう」
「せーのっ」
「…………」
「………………」
「…………」
「やっぱりこのままにしましょうか」
「そうだね。熱いけど」
汗ばむ手のひらたち
（離したくないんです）
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