すたすか | ナノ



ひさびさの休みだし放課後にデートしよう、ってことになったのがつい今日の朝練の時の話。
待ち合わせ場所は、弓道場前。せっかく部活が休みなのに弓道場前っていうのもなんだけど、まあ科が違うからしょうがないよね。

待ち合わせ場所に着くと宮地はまだ来てないなかった。
いきなりのお誘いだったし、やっぱり悪かったか。


「…みょうじ!」

「あっ宮地!ごめんね急で」

「俺こそ悪かった。遅れてしまってすまない」

息を切らして肩を上下してる様を見ると、急いで走ってきてくれたんだなあと(別に怒る気はないけど)怒るどころかうれしくもなるわな。

「いやいや」

全然気にしないでよ、と言おうとした。

「…」

「…みょうじ?どうした」

「…いや、宮地の制服姿は新鮮だなって思ってさ。部活だと胴着しか見ないしね。だから、見とれてました」

「な、」

数テンポ遅れてはあ、とため息ついて顔を手で覆った宮地の顔は赤かった。お前、2.0の視力なめんなよ。

「…お前はそういうこと、すぐ口に出すな…」

「いいじゃんほんとのことだし。宮地くん顔赤いぞー」

「…うるさい。夕日のせいだ」

「宮地はほんっとに照れ隠しが下手くそだね」

と言うと宮地はむ、と唸った。

「…お前の、」

「はい」

「…制服姿は、…可愛い」

「…」

「…」

「…」

「ってオイ、自分で言って照れんなよ」

「顔が赤いぞ、みょうじ」

なんてこった、こいつさっきの仕返ししてきやがった。
しかも自分の顔赤いまんまで。

「…うるさいよ。夕日のせいです」