ねぇ、椿。
あの時のこと覚えてる?

ずっと一緒にいよう、なんて、ただの口約束だったけどさ。俺、結構本気だったんだ。
まさか、君が先に逝っちゃうなんて思ってもみなかった。
今でも、椿が俺を呼ぶ声が聞こえる気がする。椿がそばにいるような気がしてならない。椿の全てが、頭にこびりついて離れないんだ。

今も、目を閉じれば椿の笑顔が浮かぶよ。今になって、こんなに依存してたんだって気付いたんだ。笑っちゃうよね。
君がいなくなってからも、俺、たくさんの兵士を救ったんだよ。……同時に、たくさんの兵士を死なせてしまったけどね。

こんな弱気なこと言ったら怒られるかもしれないけど。発作が起きるたび、このまま死ねたら、って考えるんだ。そしたら、椿に会えるのに、って。だけど、俺にはしなくちゃならないことがあったからさ、諦めるわけにもいかなかった。


――でも、そろそろだと思うんだ。
俺、最期まで立派に生きられたかな?

さっきまでの胸の苦しさもなくなって、兵士達の声が、すごく遠くに聞こえる。
……やっと、やっと椿に会えるよ。そしたら、笑顔で迎えてくれる?

ねぇ、椿。
今度こそ、ずっと一緒に――。


2011/09/12


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