そこは御愛嬌。 | ナノ






「ひぎゃあああああ!!」


してやったり。
そんな顔で仁王が笑った。何だ何だと駆けていくみんなをそんな仁王と見ていたら、柳生だけがこっちに歩いてきた。


「仁王くん、またあなたですね」

「プリッ」

「プリじゃありませんよ。いい加減にしたまえとあれほど言ったでしょう…」

「ピヨ」

「それにお忘れですか?この様子ではまた」

「仁王!!こっちへ来んかぁ!!」


言わんこっちゃない。溜め息を吐いた柳生の横を通り抜けて仁王が嫌そうな表情で真田の元へ向かった。そんなに嫌ならやらなきゃいいのに、懲りないやつだ。まあ何度となく騙され続ける赤也も赤也だけどね。
きっと次は赤也も一緒に叱られるだろう。



「全く、仁王くんにも困ったものです」

「ホントだよ」

「新学期早々これでは、今学期もまたこんな調子なのでしょうか」

「今学期、じゃなくてこれからずっとだろうね。まあいいんじゃない、平和ってことで」

「…はあ、そうですね」


苦笑いをした柳生を見て、柳生もまたジャッカルと同じタイプなのかもしれないと、何だか可哀相になった。





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