夕日の差し込む窓。喚起のため少し開けられたそこからは、まだ冷たい風が思い出したように入ってはカーテンを揺らした。下校中だろうか、小学生の声も聞こえてくる。
「ねえ、私と進藤どっちのが好き?」
なぜこんなことを聞いたかといえば、小学時代の自分達3人を思い出したから。
「え? 進藤」
なぜ即決かといえば、それはあまりに当然のことだから。
「だよねー。私も進藤」
だって進藤の方が面白いし優しい。私達2人はそろったところで、さして盛り上がる会話もない。ので、結果的にそれぞれ個人行動している。
「聞いといてひでえ奴だな。なら俺ん家じゃなくて進藤のとこ行けよ」
「だって谷原は寂しがり屋じゃん」
寂しがり屋だから、1人にしとけない。そんな私の優しさ見直せばいいと思う。寂しがり屋だから、誰か1人でも離れてかれるのが怖いんだよね。なんでかな、その気持ちわかるよ。矛盾だらけの言葉から。
「それいったら、お前だってかまってじゃん」
「……そうでした」
寂しがり屋とかまっては、今日も2人バラバラなことをしながら同じ部屋にいます。
12.03.01
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拍手にしようか迷ったけど、拍手の設定よくわからんかった。←