一目惚れなんて信じてなかった。
出会った瞬間に恋に落ちるなんて、そんなことあるものかと。
だが今は違う。一目惚れはあるのだ。
出会った瞬間雷にでも撃たれたかのような、それでいて心地よいような苦しいようなそんな感覚。
遊城十代、さん。
彼と出会って、その笑顔にやられた。

「(胸が、苦しい…)」

心臓の音が耳に響くくらいうるさく鳴っている。全身が痺れてしまったかのように動けず、じっと琥珀色の双眸を見つめていた。

「大丈夫か?遊星」

あまりにも見つめ過ぎた、十代さんが心配そうに顔を覗き込んでくる。
慌てて目を逸らし、ひとつ深呼吸をする。

「…大丈夫です。そろそろ行きましょう、遊戯さんの時代へ」
「おう!」

自分たちにはまだやることがある。
パラドックスを止めなくては、その為に時代をこえここまで来たのだから。

「(出来るなら、)」

すべて無事に終わったらこの想いを伝えたい。例え報われなくとも。
そんな風に思う自分に小さく苦笑を浮かべ、十代さんとともにD・ホイールに跨った。



END

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