「十代さん、海に行きませんか?」
また唐突に何だろうと首を傾げる。遊星はいつだったか女子制服を着ないか、と言われた事があったがその時の目に似てる。
「…今度は水着姿が見たい、とかか?」
「はい」
間髪入れずに頷く遊星に苦笑を浮かべる。物凄く真剣な様子に仕方ないと一つ息を吐く。
「別に良いけどさ、私スク水しか持ってねーぞ?」
「そうだと思って用意しておきました、どうぞ」
そう言って遊星が差し出したのは赤いビキニだった。
胸元には大ぶりなフリルとリボン、下は三段のフリルスカートになっていて可愛らしいデザインだ。
どこから突っ込んでやれば良いのか分からず、頭を抱える。
どこで買ったんだこの水着、まさか遊星が買ったのか、どんな顔で買ったんだ、と言うか何で私のサイズ知ってるんだ、色々と思うところがある。明日香やアキがそろそろ遊星に突っ込みを入れろと言っていたが突っ込むとそれはそれで遊星が落ち込むと思うとなかなか言う事が出来ない。
まあ、私が我慢すれば良いんだし。
「…ありがとうな、遊星」
小さく笑みを浮かべて言うと遊星は嬉しそうに笑った。
「それじゃ、海行くか」
「はい」
一つ頷いて嬉しそうな遊星の腕を引いて外へと向かった。
END
title:ARIA