十代のちいさなしろい手が、人差し指をきゅっと握っている。
握っている、というのは語弊があるかもしれない。自分の身体は半透明で、人と触れ合う事は出来ないから十代が握っているようにしているのだ。
触れ合えないとしてもこうして手を握ってくれるのが嬉しくてしかたない。
ふと笑みを浮かべると十代がこちらを見上げてきょとんとする。

「ユベル、うれしいことあった?」
『ああ、とても嬉しいことがあったんだ』

そう言って優しく十代の頭を撫でると嬉しそうに目を細めた。
ああ、自分はなんて幸せなんだろうか。
こんなに愛おしく、可愛らしい人と一緒にいれるだなんて。
もう一度十代の頭を撫で、笑みを深めた。



END

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -