じっと見つめてくる瞳は物言いたげだが、何を考えているか分からず緑間は僅かに眉を寄せた。

「…何なのだよ、黒子」

緑間は眼鏡のブリッジを押し上げ、黒子を見下ろすと黒子は目を瞬かせた。

「緑間君、何か欲しいものはありますか?」
「欲しい、もの…?」

黒子の唐突な質問に緑間はますます眉を寄せる。黒子は相変わらず何を考えているか分からない目で緑間を見つめていた。

「唐突に、何なのだよ」
「緑間君、誕生日ですよね?何かあげたいな、と思いまして…緑間君が欲しいものをプレゼントしたいな、と」

恋人ですし、とぽつりと呟くと黒子は僅かに目を逸らした。その頬はほんのりと色づいていて、緑間はつい凝視してしまう。
そんな風に自分の為を思ってくれているのが嬉しく、その気持ちだけでも緑間としては十分だと思うがせっかく黒子が考えてくれているのを無下にはできない。

「…そうか、それなら…黒子、お前の一日を俺に寄越すのだよ」

そう言って緑間は黒子の腕をそっと掴む、その緑間も頬が赤く染まっていて黒子を目を丸くし見つめ返した。
僅かの沈黙の後、黒子は小さく笑った。

「はい」

黒子のどこか嬉しそうな笑みに緑間は満足げに微笑んだ。


Happy birthday!


END

title:瑠璃
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