火神は黒子に唇を重ねた。
何度となく繰り返してきた行為だが、黒子は未だに慣れない。好意を伝えるためのものだと分かってはいても何とも言えない気恥ずかしさがあって逃げ出してしまいたいような気持ちになるのだ。
暫くして火神の唇が離れていく。黒子は居たたまれなくて僅かに俯いた。
「…嫌か?」
俯いてしまった黒子をじっと見つめながら火神が問うと弾かれたように顔を上げる。
「嫌、じゃないです…ただ気恥ずかしくて…」
黒子の頬がじわりじわりと赤く染まっていくのを火神は内心可愛いと思いながらじっと見つめる。
「なら良かった」
そう言って火神はにっと笑うともう一度黒子に触れるだけのキスを落とした。
END
title:瑠璃