※死ネタ、ヤンデレ





体に感じるずっしりした人の重みに頬が緩む。
癖のある髪をそっと手で梳いて、ぎゅっと抱き締める。

『十代』

呼ばれて顔を上げればユベルが小さく微笑んでいた。

『嬉しそうだね』
「ああ、嬉しいぜ…だって幸せだからな」

ユベルの言葉にこくりと頷いて笑みを深め、抱き締める力を強めた。
ユベルもつられたように嬉しげに微笑んだ。

『十代が幸せなら、ボクも嬉しいよ』

ユベルだけは俺の気持ちを分かってくれる、だから今もこうして俺たちを祝福してくれている。

「遊星…」

名前を呼ぶだけで胸の奥が喜びに震える。抱き締めている遊星の冷たい頬に自分の頬を擦り寄せる。
自分はもう普通のヒトとは違う、遊星と同じ時間を生きることが出来ない。いつか来る別れの時、そんなこと考えただけで耐えられない。どうしたら良いか、考えて考えて考えて。
どうしたら遊星を一生俺のモノにしておけるか、ひとつの答えにたどり着いた。
遊星のすべてを俺が貰ってしまえば良い。俺は遊星のことを大好きだし、愛しているのだから当然すべて貰っても良いのだ。
だから貰ったのだ、遊星のすべてを。
だらりと垂れる遊星の腕を優しく撫で、冷たい唇にキスをひとつ落とし、ぎゅうと抱き締める。

「遊星、愛してるぜ」

応えは返ってくることはないが言い知れぬ幸福感が胸を満たした。



END



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