※学パロ

薄ピンク色の封筒には丁寧な字で“不動先輩へ”と書かれている。その封筒へ妙な視線を送る十代さんに小さく苦笑を浮かべる。

「十代さん」

視線が合うとついっと外される。目を瞬かせ、じっと十代さんを見れば僅かに頬を膨らませている。
その様子に思わず笑みがこぼれる、本来後ろめたく思わなければならないはずのそれが、ひどく嬉しく思う。

「何笑ってんだよ」

拗ねたような物言いにますます頬が緩んでしまうが、これ以上は流石に本気で怒ってしまうだろうけどやはり嬉しく思う気持ちが勝り小さく笑みを浮かべる。

「いえ、十代さんがやきもちを妬いてくれてるんだなと思うと嬉しくて」
「なっ!や、やきもちなんて妬いてない!」

顔を真っ赤にしながらそう言われても説得力はない。思わずくすりと笑うと十代さんはむすっと顔をしかめる。

「…遊星、それどうすんだよ」
「そんなの決まってますよ」

にっこりと笑みを浮かべて十代さんを見つめる。

「十代さん以外を好きになるなんて考えられません」

十代さんは何度か瞬きし、じわりじわりと頬を赤く染め慌て始める。

「なっ、何を、は…恥ずかしいことさらっと言うなよなっ!」

再びついと視線を外されるが、真っ赤に染まった頬を見て笑みを深めた。

「十代さん」

自分でも驚くほどの甘い声で十代さんを呼ぶとゆっくりこちらに視線を向ける。

「好きです」

琥珀色の瞳を見つめながら唇にひとつキスを落とした。



END



24042キリリク、線香花火様に捧げます。
キリリクありがとうございました!幸せそうな遊十で出来たら学パロとのことでしたが、どちらかと言ったらただのバカップルになってしまいました。
少しでも楽しんで頂ければ幸いです!
素敵なリクエストありがとうございました(^-^)

title:夜風にまたがるニルバーナ
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