いつもの教室、いつもの放課後。
目の前には理解不能のプリントが一枚。

「はあー…」

深い溜め息を吐いてそのまま机に突っ伏す。
補習と称され渡されたのだが、これが終わるまで帰ることは許されない。
自業自得、と言われればそれまでだ。普段から授業をサボったり、居眠りしたりして成績は底辺をうろうろとしている状態なのだ。
机に突っ伏したまま再び溜め息を吐くと頭上からよく知った声がかかる。

「大丈夫ですか?十代さん」

ゆると顔を上げるとこちらを心配そうに見つめる遊星がいた。

「あんま大丈夫じゃねえかも」

深い溜め息とともにそう呟けばますます遊星は心配そうな表情を浮かべた。

「遊星」

じっと青い目を見つめると遊星の頬が微かに赤く染まりる。

「頼むっ手伝ってくれ!」

両手を合わせ頭を下げるとくすりと小さな笑い声がし、良いですよと返ってきた。
遊星は自分の前に座ると未だ白紙のままのプリントにざっと目を通す。

「どこが分からないんですか?」
「…全部」

何だか申し訳ない気持ちでいっぱいになるが遊星は気にした様子はなく、大丈夫ですよと笑みを浮かべた。

「本当に悪いな」
「いえ、困っている恋人を放っておけませんから」
「っ…」

にこりと甘い笑顔でそんなことを言われたら何も言えなくなる。じわりじわりと顔中が熱くなっていくのが分かる。

「(ああ、何か…)」

こんな風に遊星に想ってもらえているのは非常に照れるだがそれ以上に嬉しい。幸せだなと感じる。

「遊星」

名前を呼ぶと遊星は嬉しげに、はいと返事をする。
そんな遊星に満面の笑みを浮かべた。

「大好きだ」

今胸に溢れる気持ちを言葉にすると温かな気持ちになって、遊星が笑みを浮かべて俺もです、と言われとても幸せな気分になった。



END



22622hitキリリク、K&T様に捧げます。
キリリクありがとうございました!日常での甘い感じとのことで、十代にとって補習は日常…と思いまして。
少しでも楽しんで頂ければ幸いです(^-^)

title:Aコース
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