子どもに懐かれやすいか否かと問われれば、答えは否だ。
目が少し鋭いことや表情が豊かではないのが原因だろう、余程人懐っこくないと子どもはなかなか寄ってこない。
別にそれについて気にしたことはないし、自分のことを知ってくれている子ども達は懐いてくている。
だが突然、十代さんが子どもになってしまい怯えて泣かれたのには流石にへこんでしまった。他の仲間たちに対してもそんな感じだったが今はそんなことはない。

「………」

視線の先には笑い合う二人。一人はちいさな十代さん、肩車されて大変楽しそうだ。もう一人はヨハンさん、十代さんを肩車してくるくる回ったり走ったりしてこちらも楽しそうである。
二人は今日初めて会ったのだが、すぐに兄弟のように仲良くなった。
にこにこと笑い合う二人を何となく面白くない気持ちになる。
確かに自分はちょっと強面かもしれないし、言い方も少しぶっきらぼうに聞こえなくもないがちいさな十代さんのヨハンさんとの初対面での差に若干ショックを受ける。

「はぁ…」

胸の中にあるもやもやとしたものを出すように溜め息を吐くとヨハンさんとちいさな十代さんがやってきた。

「遊星、どうしたんだ?」
「おなかいたいのか?」

ヨハンさんは心配そうにこちらを覗き込み、十代さんはちいさな手で頭を一生懸命撫でてくれた。

「……いえ、何でもありません」

心配してくれるお二人に、あまりの仲の良さに嫉妬しましたとは言えず微かに笑みを浮かべるとそうかでも無理はするなよ、とヨハンさんが笑みを返して二人ともまた遊びに戻っていった。

「…羨ましい」

本当に楽しそうな二人を見て再び溜め息を吐きぽつりと呟いた。



END

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