愛を告げる、簡単なことだ。
好きだと言えばいい。
たった三文字だ。



私に足りないのは何だろう。
魅力、そんなことはわかってる。
愛想、十分あるつもり。
可愛げ、それは昔に捨ててきた。
色気、そこを突かれると言い訳出来ない。



仮に、好きだと言ったところでどうなるってんだ。



自信、はないな。
だってあの人と釣り合えるだなんて到底思えない。



あいつだって、どんな反応するんだろうな。



もしあの人に好きだと言われたら。



きっとパニックを起こす。



いや、ありえないことくらいわかってるわよ。
想像くらいさせてちょうだい。



それか、全く信じないか、だ。



やばい。想像もできないほど、ありえないわ。



こうやって俺が色々巡らせてることだって、微塵も思ってない。



虚しくなってくるだけね。
止めましょう。



そんな奴に好きだと言ってどうするんだよ。



好き、って言われたい。



信じて貰えない告白ほど惨めなものはないな。



いっそ嘘でもいいわ。



きっと俺の思う好きとあいつの言う好きは違う。



私はこんなに好きなのに。



肌に触れたい。



手繋いだり。



そしてあいつの目には俺しか映らないように独占したい。



きっと他愛ない会話さえも楽しくって。



唇を奪って。



寄り道しながら、一緒に帰ったりしてさ。



無理矢理にでも抱きたいと思うさ、卑劣だな。



家に着いたら、また明日とか言って手を振るの。



俺だって健全な男子だよ、欲情だってする。



あーあ、幸せなんだろうな。



こんな俺を知ってあいつはどう思う。



ま、どうせありえないことだけどね。



きっと怯えるんだろう。



私の好きはいつだって伝わんないし。



俺に愛される、あいつにその覚悟がない限りは。



本気だって、わかってくれる日がくるのかな。




まだ言えない言葉の先



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