「ねぇ、さっき言葉遊びしてて面白いのが出来たんだけど。」
「面白い？」
「うん、聞いてくれる？」
「あぁ、教えてくれ。」
「蓮二が合いの手入れてくれる？」
「合いの手？何を言えば言いんだ？」
「真田弦一郎の“さ”から、真田弦一郎の“う”まで。」
「あぁ、わかった。真田弦一郎の“さ”」
「三十過ぎたおじさんみたいに、」
「真田弦一郎の“な”」
「納豆臭い、」
「真田弦一郎の“だ”」
「だめだめな」
「真田弦一郎の“げん”」
「現役中学生で、」
「真田弦一郎の“い”」
「いつも」
「真田弦一郎の“ち”」
「近くを歩いていると」
「真田弦一郎の“ろ”」
「老人とその孫みたいに見られて」
「真田弦一郎の“う”」
「うざったい。」

「……精市、一つ聞くが。」
「うん、何？」
「弦一郎が嫌いなのか？」
「ふふっ、」
「………」



（100128）






<<>>