ネタ会話文 | ナノ
「本当にもう、お前には敵わないよ。」
そう言うと彼女は、嬉しそうにクスッと笑った。わかってるんだ。お前には絶対に敵わない。それは俺がお前にベタ惚れし過ぎてるからだって事くらい。俺の頭の中にはいつだってお前が居て、忘れたことなんか無い。いくらテニスをしていたって、お前が頭の中に居るから俺は勝てる。お前が居なくなったら、俺はきっと寂しさに潰されてしまう。だから俺は、お前には敵わない。
「精市、明日暇?」
「うん。どうしたの?」
「た、たまには…その…」
頬を赤く染める名無しさんに、俺は微笑んで見せた。
「デート、行こうか。」
「うん!!」
わかりやすくて可愛い。そこが好き。俺の言葉に反応して笑顔で抱き着いてくる、無自覚過ぎるくらいに単純な所も好き。
「ふふっ。どこが良い?」
そう聞いたら、目を輝かせて行きたい場所をポンポンと出してくる名無しさん。いつもは部活部活って忙しくて構ってあげられないから、行きたい場所が沢山あって当然だ。あぁ、ダメだ。そんな顔して行きたい場所とかしたいことを言われると、全部叶えてあげたくなるじゃないか。
「あとね、あとね…」
名無しさんの口は止まることを知らないのか、ずっと動き続ける。卑怯だ。こうやってどんどん俺を名無しさんで埋めていくんだ。この際、1週間くらい部活を休んで名無しさんに構ってあげようか。
「でもね、精市と一緒だったら何処でも良いよ?」
あぁ、もう本当に…何でこうも可愛いのだろうか。
「名無しさん、」
抱きしめると、耳まで真っ赤にする名無しさん。それでも離してやる気は全くない。絶対に離してやるもんか。可愛すぎるんだ、お前は。
「好きだよ。」
「わ、私の方が精市好き!!」
ダメだよ、名無しさん。俺がお前に勝てることなんてこれくらいしか無いんだから。
「愛してる。」
「…っ!!」
赤くなったその可愛い顔、誰にも見せないでね。…まぁ、見せてやる気はサラッサラないけどね。
お前には敵わない
………………………†
彼女にベタ惚れの精市
(090627)
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