「蔵、カラオケ行きたい。」
「急やな。」
「急に行きたなってんもん。」
「あー、えぇけど。」
「何で不満そうなん？」
「不満やないけど、部活の休みがなぁ。」
「そこはオサムちゃんに言って何とか……。」
「アホか、俺は部長やで。」
「ちぇ、蔵つまんな。」
「えええええええ！」
「えぇもん。他の人誘うから。」
「あ、ちょ、待って！」
「謙也ぁー！」
「待ってって！」
「何なん。」
「急に冷たっ！」
「どうせ遊べへんのやろ、部長は。」
「いや、休みあんねん！来週！」
「うっそー。あたし知らんで？」
「部内の休みやなくて、学校全体で、その日は部活出来ひんねん。」
「ほんまに？」
「ほんまに。」
「……行事予定見よ。」
「俺、どこまで信用されとらんのや。」
「あ、ほんまや。」
「せやろ。せやからその日に行こ。」
「おん！蔵めっちゃ大好き！」
「（この子、単純すぎて怖いわ……。）」

「ところで、蔵、歌上手いん？」
「めっちゃ上手いで！」
「へー。」
「絶頂！て叫ぶくらいの聴かせたるわ！」
「期待してるで！」
「任せとき！」
「…………まぁ百歩譲っても、絶頂！とは言わへんけどな。」
「お、おん……。」


カラオケ。
（20120914）







<<>>