ネタ会話文 | ナノ






200907〜





どこでどう間違えてこないな結果になったんやろ。いくら自分を問いただしてみても答えは出て来ぉへん。ただ、名無しさんが好きっちゅー気持ちが膨らむだけ。



「白石、またぼーっとしとるで?」

「…っ、すまん」



走りながら考え事しとったらいつの間にか足が止まっとって、後ろから来た謙也に声をかけられた。情けないくらいに名無しさんが纏わり付く。



「大丈夫か?そない集中出来ひん事があるんやったら、そっち片付けて来たらどや?」

「せやけど…」

「部活は大丈夫やで。小石川やって役立つんやで!!」



役立つ、て言い方おかしいやろ。なんて思いながらも、俺は謙也に背中を押されて名無しさんん所に走り出しとった。マネージャーをやっとる名無しさんは丁度時間に余裕があるらしく、ゆっくりと洗い立てのタオルを畳んどった。



「ちょお、えぇか?」

「あ、蔵。どうしたの?」

「話、あんねん、けど…」



緊張する俺を不思議そうな顔で見とる名無しさんは、何?て言いながら首を傾げた。その表情が更に俺を緊張させて、体温が上昇するんが自分でもわかるくらいやった。



「あんな…」



声が少し掠れた。こないな所謙也に見られたら最悪や。いや、それよりも財前。絶対バカにされるに決まっとる。せやから、はよ。皆がランニングから戻って来る前に。



「好き、や。名無しさんの事。」

「…え?」

「せやから…」



ずっとテニス一筋で頑張るつもりやったのに、俺はどこで足踏み外してしもうたんやろか。どこで脇道に反れてしもうたんやろか。



「名無しさんが好きや。」



せやけどな、結果は間違うてへんと思うんや。好きになるんが名無しさんで正しかった。



「わ、私も蔵の事好き…!!」

「おーきに。」



やって、今が幸せやから。


Fin.





*拍手X*
2009/07.闇†風







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