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隣の家の窓からひょこりと現れた幼なじみの彼は、唐突に言葉を紡ぐ。「明日デートしませんか」視線があって、まるで答えを促すような目に、こんなに赤い顔を見られてたまるか、と私はただ俯いた。それが良くも悪くも肯定と捉えられるなんて考えもしなかったけれど。
(2014/05/11)
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彼女をつつく。「消しゴム拾って」そうすれば彼女は仕方ないなぁなんて顔をしながらも拾って、それから笑顔で「もう落とさないようにね」と。わかってるくせに、そんな顔するから僕はまた消しゴムを落とす。
(2014/05/11)
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彼は言うのだ、俺はお前からすべてを奪ってしまいたいと。それが出来ないことがもどかしいと。彼はひどく苦しそうに呟くのだ。
私は思う。今、私はあなたしか見ていなくて、瞬間瞬間のあなたを少しでも多く捕らえるために五感を必死に働かせていることが、どうにか彼に伝われば良いのにと。
(2014/05/11)
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