「亮?」



何回呼んでも返事をしようとはしない。いつもならそういうことはないのだけれども。



「どうしたの?」



思い浮かぶとしたら先程具なしパンだと偽ってショコラパンをあげたことくらいだ。因みに昨日はキムチパンを。吹雪がいらないというから回収してきたのだ。



「ねぇ、亮ー?」



プイと横を向かれてしまった。連日のいたずらにへそを曲げてしまったようだ。


「具なしパンを引いてくるからもう許してよ」


「……本当か?」


「ええ、少し待っててね。すぐに帰ってくるから」


「ああ、分かった。そこまで言うのなら……」



うつむいてはいるが声で分かる。テンションは回復傾向。むしろ、笑っているように見える。全く簡単な奴め。






関白宣言
(もっと威厳を出すべきだっただろうか)

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