小さな恋人
シリアスからの、まさかのギャグオチっていう…高銀です
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懺悔の言葉なんて等の昔に捨て置いた。
あちこちから上がる戦火、悲鳴、断末魔。
自分が悪いわけじゃないと俺は言う。
でもこれは全て俺のせいで、あぁなんて無力なんだ、と死に行く人を見ながら掴み損ねた命を前に懺悔の言葉を吐きかけた。
そして、その行為を自分がすることさえ許されないのだと、自覚してまた涙を流す。
守れなかった。
守りたい守りたいのに。
それらは己の手のひらからこぼれ落ちていってしまう。
そして今日もまた掴み損ねた。

目の前いるのは愛しい人。
あれ、どうして俺は今、刃を向けているんだろう。
あれ、どうして、彼はこっちをみてるの。
あれ、どうして、彼は知らない人間と一緒にいるの。
わからないと、頭を抱えてそしてその場に膝をついた。

「せんせ…」
あの人から、守ってやってくれと言われたのに。
どうして、俺は刃をむけているのか。
「どうした、銀時?」
隣で背中合わせになってた桂が不思議そうにこちらをみる。が、俺にそれを把握して言葉を返すほどの余裕などなく。
こうなってしまった原因であろう、遠い昔の…彼の見えなくなってしまった片目を思い、そして自分の無力さに歯噛みした。
どうしてあの時、切られたのが自分ではなかったのか。
何度も何度も繰り返し悔いては夢に見、その度に涙して言う資格すらないという事すら諦めていた、懺悔の言葉を吐いた。
「…高杉ィ!!!!!」
喉奥につっかえて取れない塊を飲み込めぬまま、俺は力の限り叫んだ。
もうこれは自分への報いなのだろうと、ならばそれを甘んじて受け入れなければ彼を救う機会すら失ってしまうと、無理矢理理由を作って、愛しい人へ刃を向けた。
必ず、必ず止めて見せると、その刀に誓を立て。

「次にあったときは仲間も糞も関係ねぇ!全力で…っ」
「全力で…?」
「全力で…っ」
言いよどんでいたら、高杉がこちらへ乗り移ってきた。
桂と俺はたじろいで思わず一歩下がる。
「全力で…俺を切るってかァ?無理だろ絶対」
そして、クスリと小さく笑ったかと思うとピンと小さな音を立てて俺の額へデコピンをかました。
「む、無理じゃねぇもん!」
思わず売り言葉に買い言葉。
言ってしまったあとに後悔して口を抑えるが吐いてしまったものは戻せない。
高杉はさらに面白そうに目を細めると、俺を抱き上げた。
・・・あれ?だき・・・?え?

「そんな小せぇ体でできるわけねーだろ、バカか」
「え…ええええええええええええええええええええええええええええええ!?」
桂と俺が同時に叫んだ。
俺はというと、なぜかさっきまできっちりと身体のサイズにあっていたはずの服が今やだぼっだぼになってずり落ちそうになっているのを見た。
小さくなった手。
そういえば些か刀も重たく感じる。
ほっぺを触って、そのありえない子供肌のぷにぷにを感じて、めまいがした。
「かっ、かわいい…っ」
桂が俺の頬を触る。
今にも抱きしめたいと顔に書いてあるのがありありとわかり、わざとそっぽ向いてやった。
その態度も気に障ることがなかったらしく、桂はさらにかわいいなどと褒めちぎっている。
俺としてはこんな状況は望んでいたような、ないような。
複雑な心境であった。

「いつ効果が出るか冷や冷やしたぜ…ま、タイミングはバッチリだったがなァ」
「え?ちょと、どゆことなの、せつめーしろよバカすぎばーか」
いつになく俺様態度にイラっとした俺は、高杉の顔を見上げ罵倒した。のだが、どこか舌っ足らずなのは、恐らくこの体が先生に拾われてすぐの頃だからであろう。
その舌っ足らずさに思わず舌打ちをするが、舌打ちまでもうまくできない。
「紅桜にちょっとした細工をな…、おかげでおめぇは俺と戦わなくて済むんだぜ?」
「たたかわ…」
高杉の言葉に思わず笑みがこぼれた。
「笑っている…」とどこか嬉しそうな桂に指摘されてようやっと気づき、思わず笑を引っ込めるが、戦わなくて良いというのは今の銀時にとって一番嬉しいものであった。

「てゆーかさ、俺らのさっきまでのしりあすどーすんだよ」
「もういいではないか」
「え!?いいの?それでもうおわっちゃうの?ねえ!?」
「うるせぇ…」
「うるさって、しんすけそれはないだろ…わっ」
高杉にぐりぐりと頭を撫で回され思わず言葉を飲み込んだ。
突然の事に、え?なになに?と慌てて顔を上げてみれば、どこか機嫌の良さげな表情。
ん?と少し考えてみて、なんとなーく原因に行き着いた俺は、にやりと笑うとツンツン、と高杉の肩を叩きわざと名前を呼んだ。
「たかすぎー」
「あ?」
あ、ちょっと機嫌が悪そうだ。
「しんすけー」
「だから何だよ?」
あ、機嫌良さそう。
こいつやっすいなーなんて思っていると、高杉はゴソゴソと懐をあさりはじめ、小さな透明な袋を取り出した。
そしてそれを、ほれっと差し出してくる。
素直に受け取った俺は、透明の袋に入ったキラキラしているお菓子をみて、思わず声を上げた。
「こんぺいとう!」
昔、高杉からよくもらっていたお菓子で、パフェとはまた違った部門で好きなお菓子一位にランクインしているものだった。
子供扱いされていることへの不満はとたんに消え失せ、いそいそとこんぺいとうを一つ取り出し、潰さないようそっとつまんで口へほおり込む。
穏やかな甘さにうっとりと目を閉じれば、高杉の体から振動が伝わってきて。
何事かと目をあければ、笑みを浮かべてこちらを見ていた。
あ、めずらしーなんて思っていたら、影から小さく桂から、この後どうするんだ。とか聞こえてきたが、この際そんなもん知らない。

ということで、ここから先はまた今度書くとして、一応おっしまい★


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続きます。
もうエロかく。
なぜか途中でシリアス気分が抜け落ちてギャグに走ったため中途半端です
なんか本当にもうごめんなさい。




     

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