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俺は、考えていた。
先日突然現れた、古泉と同じ機関所属の優という少年。
古泉が好き。
と叫んで、俺から古泉を奪うと言った少年のことを。



俺は予感すらしていなかった。
彼と俺の間でこんな大事件が起きるなんてことを。





「キョンくん」
「何?」
古泉が珍しく俺の家に尋ねてきていた。
原因は、こじらせた風邪の具合を心配して。
「緊急事態発生です」
といっても既にほぼ、完治済み。
俺はその言葉を聞いて、またか。と頭を抱えた。
「ハルヒか?」
「いいえ、違います」
久々に、真剣な古泉の表情。
少しだけ緊張が走る。
「長門さんと、朝比奈さんと連絡がとれないんです」
「な……っ?!」
それは思ったより緊急事態である。
俺は立ち上がると、外に出る支度を始めた。
「キョンくんは、ここにいて下さい」
「何いってるんだ、古泉だけだと大変だろ?」
「優がいますから……」


気を使っているつもりだろうが…きいているこっちは腹がたつ。
俺は確かに只の人間で、なんもできないかもしれない。
けど、恋人を気遣ってるこの気持ちを無下にしないで欲しいもんだ。

「嫌だ、ついていく」
「でも、体調が……」
「なら、体調がちょっとでも悪くなったら、言う。でどうだ?」

いつになく引き下がらない俺に違和感を感じたのか、古泉は「絶対ですね!約束してくださいっ」と念を押すと俺の手をぎゅっと握った。


優と合流して、まず、長門の家に向かう。
長門の部屋につくと、なぜかハルヒがいた。
「キョン、有希がいないのよ……っ」
いつも強がって、わがまま言い放題のハルヒのこんな不安そうな顔は初めてみた。
「携帯にも繋がらないのか?」
問うてみれば、ハルヒは首を横にふる。

「どうでしょう、二手に別れて長門さんを探す班と、手がかりを探す班に別れてみては」
突然、前触れもなしに優が言うから驚いた。
が、彼の意見な中々いい。
すぐに、俺と古泉。
優とハルヒに別れると、長門有希失踪事件に乗り出した。





   

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