大砲娘と世界征服論 Another | ナノ



根付さんに物申す!


※公式ガイドブック発売記念
※ガイドブックネタです。夢主の詳細設定は設定ページの下記に記しました。
※ガイドブック・本編ネタバレ注意
 
「「祝・公式ガイドブック発売記念ー!」」
「え、時期的に遅くないか?」
「購入したのがこのタイミングらしい」
 
 私たちの載っているガイドブックが広報担当の根付さん考案により発売された。B級隊員以上には事前に配られたアンケートを回答している。ボーダーを民間人に認知してもらうための目的で発売されたそうだけど、売れるのかは分からない。
 私たち自身、自分の回答は覚えているけれど、ほかの面々の自己紹介が見たいのと、鬼怒田さんがそんなデータブックに各隊員のパラメーターを載せたそうで、気になるのが本音だ。
 店頭に並んでいたのを購入していつもの面々で見ているのだった。
 
「なんだかんだいいつ民間人よりボーダーの私たちのが買ってそうだよね」
「確かに」
「好みの相手とか載ってるんだろ? 気になるだろ!」
「「確かに」」
 
 全員、既に目は通してきているみたいで、色々とツッコミたい所があるのだけれど、一つ一つ紐解いていこうと思う。
 
 
〜自己紹介とパラメータについて〜
 
「まず、俺が聞きたいのは葵!」
「へっ?」
「なーんで、お前の写真だけ脱いでんの」
 
 諏訪に突っ込まれて突然のことに唖然としてしまう。みんなは戦っているシーンを紙面に載せているそうだけど、私はがっつり水着だ。首を傾げてみせるものの、こればかりは根付さんに聞かないとわからないだろう。
 
「知らないよ! 私はみんなしてるからって言われたんだけどー」
「まあ、理由はわからなくもないけどな。実際、これを入手するのにも時間がかかった訳だし、根付さんの思惑通りになったと思うぞ」
「それ言うならオペレーター全員の水着姿とか見たかったんですけど!」
 
 カメラに向かって笑えだの、ポージングしろだの結構恥ずかしかったんだからなー。ジト目で諏訪を睨むようにしてみれば、一瞬ひるんでみせたものの、すぐに復活したようでガイドブック片手に私を指さした。
 
「つーか、お前のパラメータ可笑しいだろ。トリオン量30ってなに!?」
「雨取よりは少ないんだな」
「二宮には勝ったけどねー」
 
 個人的には風間のパラメータのがすごくないと思ってしまう。ほぼトップクラスだよ! 射程は近距離だから仕方ないと思うし、攻撃と援護、機動に技術がほとんど満点クラスとか怖い。
 
「個人的には、トリオン量よりもお前の援護が“3”と低いことが疑問なのだが」
「てへぺろ」
「普段、自分で特攻しているのが丸わかりだな」
 
 風間と木崎の冷静は分析に頭が痛くなる。鬼怒田さん、なぜ私に3を付けたんだ。狙撃手の中でも最下位で、援護低いとか狙撃手じゃないでしょ。
 
「諏訪のパラメータは安定っちゃ安定よね。隊長なのに指揮が低いのとか納得できる」
「おい、葵! お前表へ出ろッ」
 
 
〜グラフについて〜
 
「こうしてグラフ化されているのを見ると、俺らの中だったら葵が一番後輩になるんだな」
「そうだねー。最初はエンジニア希望だったから、戦闘員としてはかなり下っ端な訳だ」
「最初から風間隊なんだよな」
「反感買ったよー。まあ、ねじ伏せたけど」
 
 風間が随分前から居ることに驚きだ。玉狛は古株が多いイメージがあるので木崎の位置には納得できるけど。入隊当初を思い浮かべながらも私は今までで一番気になっているページを開いて諏訪に見せつける。
 
「私、一番聞きたかったんだけど、諏訪って容姿重視なんだ? 笑」
「語尾に笑いとかつけるなよ!」
「容姿重視なのは否定しないの? なら私とかどんぴしゃ好みじゃない?」
 
 ずいっと諏訪に近づいてみれば、本当に図星であったのか、諏訪は私の顔をみたあとに視線を逸らした。それはもう露骨に。頬が赤くなる様子が面白くてさらに距離を詰めてみる。
 木崎も容姿重視っぽいけど、おとなしい子じゃないからなー、私。弄るなら諏訪のほうが楽しいし!
 
「はーなーれーろー!」
「嫌だ!」
 
 性格に難があるのは自分でも理解できているから、こういう場合は風間よりも諏訪と私のほうが相性良いかもしれない。
 諏訪を弄って遊んでいれば、風間に肩を掴まれて引き離された。
 
「そういうお前も容姿重視なんだろう」
「そう! 正直言えばどっちでもよかったんだけど、性格に難がある私が性格良い子選ぶとかダメでしょ」
「お前自分でディスりだしたな」
 
 その理論で言えば私は影浦を弄り倒したいけどねー。口を開けば真面目な二人に引き留められそうなので決して言わないけれど。
 ガイドブックをまじまじと見つめていれば、硬直していたのから復活した諏訪が私の手に持っていたガイドブックを奪い取って数ページ前に巻き戻される。
 
「というか! お前、普段からどんなけモテてんだよ」
「ごめんねー。綾辻ちゃん抜いたわ」
「「それはない」」
 
 え、位置で言うと私のがモテ位置に居るんだけど。
 即答し二人を睨めば、黙っていた風間が口を開く。
 
「綾辻のほうが正統派だろう」
「え、風間ひどい!」
 
 確かに、かわいいし性格いいし、立ててくれそうだもんなー。顔だけの私より綾辻ちゃんの方が上だと言う考えが出てくるのは間違っていないだろう。私も男なら彼女にホレてたわ。
 
「それより、風間ってモテるんだね。知らなかった」
 
 二人でそんな話をしたことがなかったけど、風間ってモテるのか。なんか複雑な気分だ。
 もしかしたらオペレーターっ子に告白されていたりするのかもしれない。うーん、複雑すぎる。
 
「おい風間。見るからに葵が落ち込み始めたぞ」
「知るか」
「一言言ってやればいいじゃねえか。「葵、俺にはお前しかいない」って」
「諏訪しね」
 

おわり
20160806