美女と美少女※風間と付き合ってるif話です。 「蒼也―、見て！」 家に来いと腐れ縁に呼び出され、風間は半ば渋々に足を運ぶ。いつも通りに扉のノブを押し回して中に入ろうとすれば、予想外すぎる光景を目の当たりにすることとなった。 頭にはウェーブのかかった金髪ロングヘアのウィッグに、服装はフリルを施した可愛らしいものだ。足はニーハイソックスを履いいる葵の姿があり、眼前の光景に瞬くしかない。 「見てみて、エリちゃんのコスプレ！」 くるりと一回転してみれば短いスカートが浮かび上がり、パンツが見えそうだ。本人は今の格好をいたく気に入っている様子であったが、此方としては用件も分からずに呼び出されて来ただけだ。どう反応すれば良いのか風間には理解出来なかった。 「――話をまとめると、国近に勧められたゲームの中のヒロインが可愛くて、その子の格好を真似たと」 「そう！ 我ながら中々似てると思うんだけどなー」 言われてみれば、普段はケータイを弄らない葵が頻りにケータイを手にする姿を見ていた気がした。そして、勧められたゲームが面白いのだと聞いたこともあった。 興味がなかったこともあって深く掘り下げることもなかったが、風間の知らない間に葵は深くハマっていたらしいのだ。 “エリちゃん”と名前の教わったその子は画像で見る限り可愛い感じの女の子であった。年齢は高校生くらいなのだろう。年齢の割には発育がよく、風間の視線は否応なしに胸元の開いたシャツを捉える。胸元を強調したポーズを見れば、意識するなと言うほうが難しい。 「どう？ 似てるっしょ」 へらりと笑った葵の目元を見れば、普段以上に化粧にも気合いを入れているようで、それだけでも“エリちゃん”への愛情が伺えた。 次に見せられた画像では、葵と同じ服装をしている彼女の姿が映り、この服装を真似ているのだと言うことが疎い風間でも理解出来るようになった。 「こんなポーズしてるでしょう？」 体育座りをして、膝に顔を預ける形は画像そっくりだ。顔つきも似せているのだから本人の言う通り、“似ている”と言うことが出来た。 これも顔の造形が良いと定評のある葵がしているからこそ、此処まで似せることが出来たのだろうが、風間はいくつか言いたいことがあった。 「金髪も似合うんだな」 褒めると言うよりは率直な感想に近い。それでも、“エリちゃん”が好きな葵からしてみれば褒めれているも同義なのだろう。次第に頬を綻ばせ、ガッツポーズをして喜ぶ姿はおしとやかそうな“エリちゃん”とはかけ離れていた。 しかし、葵には一つ訂正が必要だと風間は思った。 「けど、“エリちゃん”より葵自身ほうが可愛いと思うぞ」 確かに、画像を見る限り“エリちゃん”は可愛くて人気があるのをなんとなく察することが出来た。しかし、風間の似合うは飽く迄も“エリちゃん”に近づいたからではなく、葵自身を見ての感想であったのだ。 普段から周囲に羨ましいと言われて、いまいちピンときたことがなかったものの、今の葵を見れば可愛いと思ってしまうのだ。 スカートから除く白い太腿も、シャツの隙間から見える胸元も風間からしてみれば“エリちゃん”ではなく葵なのだ。 「……へえっ？」 十分に間を開けた後に出た葵の返事は、なんとも間抜けな言葉と言えた。 口を開けて風間を凝視していると思えば、次第に顔に赤みが増す。そんな葵を見て、風間は自分の発言が良い意味でも悪い意味でも取り返しがつかないことに気付いたのだ。 「ええっと、取りあえず写メでも撮ろうかな。国近ちゃんと太刀川たちに見せる約束してたし」 そう言うなり手に持っていたケータイを操作して写真を撮ろうとしだす。 国近だけであればまだしも、太刀川たちに見せる必要はない。元々は葵に下心を持っていた相手に送ることを考えれば風間の行動は限られていた。 「貸せ」 「あ、ちょっと」 手に持っているケータイを取り上げて、起動しているカメラに葵と風間自身を映し出すのだ。非難の声を上げようとする葵の耳に齧りついた状態でシャッターボタンを押す。 撮れた写真には間抜けな葵の顔と目線をカメラに向けたまま葵の耳に齧りつく風間の姿が映し出されている。 「送るなら、これを送れ」 ぺろりと髪の隙間から覗いている耳を舐めて離れれば、耳を押さえて顔を真っ赤にさせる葵の姿があった。 「こん、なの送れる訳ないじゃん！」 「そんなに大胆な服装をしているお前が悪い。けどまあ、こんな格好を俺だけの前でしてくれるなら許してやらんこともないけどな」 葵のフォルダから選択した“エリちゃん”の画像をつきつける。次第に羞恥から赤くなり、震えだす葵の姿が面白くて喉の奥で笑ってしまう。 今まで考えたこともなかったが、コスプレというものは中々楽しいかもしれない。 美女と美少女 風間さんが夢主にリクエストした画像の内容は想像にお任せします。 風間×夢主は攻め攻めな風間さんだったら可愛い。 20160621 ← |