無い物強請り
「ねえ、黒子くん。」
移動教室に向かう途中、背後から声を掛けられる
その透き通る様な声色だけで振り向か無くても声の主は分かる。僕は「はい?」と顔だけ振り向き、愛しい愛しい彼女に口元に弧を描き対応した
「後で理科室に来て。空き教室の方のね」
「はい。」
それだけ伝えると彼女は背を向け歩き出す。
その背中が小さくなってゆくのを眺めながら移動教室に小走りで向かった
この関係を初めてどの位経つのだろう
「ん、ぁ…っ、ぁあ……!!!ぁ、なまえさ、ん…、んぁ!」
「……ん、っちゅ」
簡潔に言うと、身体だけの関係。
僕の一方的な想いに応えられない彼女は一つだけ傍に居させてくれる理由を与えてくれた
それがこの関係。
最初は少しの抵抗があったが近くに居れるなら構わないと思った
例えなまえさんの性欲処理器でも人形でも僕に触れ、触れられるのなら何だって出来る
僕の身体を蹂躙し、快楽を与えているのが彼女だと考えただけで疼きが止まない
「…んん、っぁあ!」
「黒子くん可愛い……、っ」
すっかりなまえさんに調教されきった身体はもう彼女ではないと快感を得られないかも知れない。
そして彼女も僕の身体を知り尽くしているのだ
どこが気持ち良いか、全て彼女の手の内
なまえさんが僕のモノでなくても、僕はなまえのモノ
彼女から支配されているだけで僕はもう満足なのだ。
「なまえさん、そろそろ中…」
「だめ」
「ええ…そんな、ぁ…僕もう我慢出来ないです、っ」
「私の中に挿れたいなら、ほら、可愛くおねだりして。」
そうやってまた僕は躊躇無く卑猥な単語を口にするのだ。