遊び心
類は友を呼ぶ。
とはまさにこの事だろう
私と花宮真だってそれに引き寄せられた関係
最初は互いに嫌な奴だと嫌悪していたが彼はなかなか頭が回るし、彼の卑怯で根性が腐ったやり方はなかなか好奇心を擽られる
いつしか私も彼もそんな互いの歪んだ所を好ましくも愛してた
仮に道化師同士の私達だからその愛が偽りだろうが本物だろうが、そんな事より彼と共に悪巧み出来れば何よりも幸せ。
だけど日々日常にそんな面白い話題で溢れてる訳なく私と真はスリルも何も無い校内で暇を食らっていた時、一人の女子生徒が真に声を掛けてきた。
そりゃもう真っ赤に紅潮させて、
これからの展開なんて明白で私と真は一瞬だけ視線を混じり合わせ、小さく巧笑いを浮かべた
「あー、私が抜けるからどうぞどうぞ」
「ありがとう、なまえさん。」
先程の笑みとは打って変わって眩しい程の紳士的な微笑を張り付けて私に礼を述べた
私も負けじと緩く笑いその場を立ち去った。
あれはきっと告白なんだろうな、
まあ真は見た目はイケメンだし頭も良いし運動神経もいいし、表では優男演じてるしそりゃモテる
彼氏が人気者で私も鼻が高い。けど生憎私と真の関係はバスケ部のレギュラーメンバーしか知らない訳で、クラスの仲良い子に自慢したりできないけど何故か隠してる事に少し好奇心とも子供心と言うか何かを擽られる
少し離れた自動販売機が設置されている場所に足を踏み込み、様子を見る訳でもなく制服のポケットから携帯を取り出す
いくら美人だろうが優しい子だろうがアイツを取られる心配はひと欠片もない。
それは自分の容姿に自信があるだとかではなく。花宮真を楽しませれるのは私しかいないからだ。世界中のどこを探してもこんな性悪女なんか私くらいしかいないだろう
なんて一時の優越感に浸っていると彼が私の元に足を運んできた。
なにやら良い獲物でも狩ってきたような表情に私もどこか擽られた
「なんか楽しそうだね」
「ああ、あの女と付き合う事にする」
「は?」
「言っとくけど俺はあんな女興味ねえからな。この間お前なんかブランド物のバックがどーたら言ってただろ。あの女から金だけ巻き上げて捨てる」
「真最高。愛してる」
これが私達の恋愛なのだ。