解毒
謙也に彼女が出来た。
謙也本人から同じクラスのなまえと付き合う事になったと言う報告を聞かされて一言「よかったやん」と祝福の言葉を漏らして終わった
そんな興味もなくて唯疑問があるとしたら謙也でも彼女出来るんやな、と言う事だけだった
と言うより謙也なんかが何故なまえさんとお付き合い出来たんやろ
同じクラスのなまえさんと言えば学年でも美人で有名で容姿端麗頭脳明晰、おまけに気遣いも出来て誰からでも好かれると言うマドンナ的な存在の子が何で謙也と?
前々からクラスで時々俺となまえさんがお似合いとかなんやら一部の女子が話していたのを聞いて俺の中でなまえさんは気になる存在だった
友人の彼女と言うだけあって少し気になりなまえに話しかけたのが全てのきっかけだ
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「何で白石くんがそれを持ってるの?」
白石の左手にある可愛らしいピンク色のシャーペンに目を落としながらなまえは白石に何故所持しているのか問いかけた
当の白石は薄っぺらくも妖艶な微笑を顔に貼り付けてシャーペンで頬を付きながら口を開いた
「何でって、好きやからに決まっとるやろ?なまえさんはほんま鈍感やな。そないところもかわええから好きやけど」
「何言って、それ私のシャーペ、」
「やからなまえさんの物取ってたん全部俺。残念やわなまえさんなら俺の気持ち気付いてくれるんやと思ってたんやけどどうもお門違いみたいやったわ。」
白石は狂気混じりにぽつり、と言葉を零して自分のスクールバックからタオルや消しゴム、髪留めなどを取り出し机の上に散らばらせ白石はその中でも可愛らしい花柄のタオルを手に取りなまえに見せつけた
「これこの間なまえさんが無い無いって探してたタオル、分かるやろ?いつか返してあげようかと思っててん、でも堪忍な。もう使い物にならん程汚れてもうたわ」
差し出された物には独特な雄の匂いを発しなまえの嗅覚を刺激する。そのタオルで何をしていたのか、聞くまでもなく想像出来た
驚愕して言葉さえも発せれない彼女に白石は楽しそうに「頭の良いなまえさんなら分かるやろ?自慰してたんやで」と言い放ち白石は彼女に近付き距離を縮めるがなまえが後ろに引き下がり阻止される
「何でそない俺を拒否するん?怖い?」
「白石くん、頭可笑しいよ………」
大きな瞳を恐怖に染めて震える足で放課後の全く人気のない教室から逃げ出そうとするなまえの腕を白石が捉え机に組み敷く
彼女の耳元に唇を寄せて小さく「愛してる」と優しい声色で囁けば彼女の体は小さく震えた
このままだと先の展開を察し、なまえは白石の胸板を押して逃げ出そうとするが所詮男と女で敵う筈もなく、白石から両腕を拘束され逃げ出す事は不可能に近くなった
白石は彼女の制服に手をかけてシャツのボタンを器用に片手で外していく
「謙也とはもうセックスしたん?」
「………何、言って」
「その反応じゃまたしてへんみたいやな…」
白石は何か企んでいる様な雰囲気を匂わせ口元に怪しげに弧を描いた
制服のボタンを巧みに外し服の隙間から覗かせたブラに手をかけ、上にあげて下から優しく厭らしい手つきで揉みあげ胸の先端を指先で弄れば彼女の口から甘美な囁きが漏れた。それでも彼女の体まだ白石に反抗し逃げようと体をくねらせて抵抗していた
「嫌がってる女の子を無理矢理犯すってめっちゃ興奮せん?最高のシチュエーションやと思うんやけどな……、しかも友達の彼女とか」
「…………ッ、最低」
「そない顔せんといて。俺はなまえと気持ち良くなろうって思ってるだけなんやで」
そして白石は彼女のスカートの中に手を滑り込ませ太腿の裏を厭らしく下から撫でる
拘束していた方の手を彼女の腰に移動させるとそのまま、ぐっと引き寄せ、彼女の下着越しの秘部にはズボンの上からでも分かる程そそり立った白石のそれがあたっている
「あたってるん分かる?めっちゃ厭らしい顔しとるで。………なんやなまえもその気やったんかいなほんま淫乱やな…謙也に捨てられるで?そん時は俺がもらったるけど」
人差し指で下着越しに彼女の秘部を優しくなぞり、一気に下着を剥ぐと愛液を流す彼女の秘部が露になる
白石もズボンのベルトを外しながら「どうせ痛いんやから慣らさんでもええよな」と小さく呟きズボンを床にストンと落とすと自身を彼女の入り口にあてがい彼女が目を瞑った瞬間一気に突いた
人気のない静寂が包む教室の中で彼女の啜り泣く声と淫靡な水音だけが響いていた中彼女は白石の小さな声が聞こえる筈もなく呆気なく意識を手放した
それから白石は彼女の服装を整え、背中に背負い教室を後にする
校舎には全く人影もなくそのまま人気の少ない裏の方に回り学校を後にした
「おはよう、なまえ。」
重たい瞼をゆっくりと持ち上げると見た事のない天井と景色が広がっていた。
そして私を見下す白石くん
「……っ、白石、く、?ここ何処?」
「今日からここがなまえの家やで」
「な、何言って…」
「やから。今日からここがなまえの家や。嬉しいやろ?…これからずっと一緒や」
まだ麻痺して自由に動けない体に白石くんは飛び込むように私を両腕で包み込んできた
背中に回された腕の温もりが心地よくて目を細めているも束の間、接吻を交わしてきて舌を捻じ込まされ何かを飲み込んだ瞬間、急激な睡魔が私を襲い目を瞑ろうとした時の白石くんの何とも言えない哀しそうな表情が脳裏に焼き付いて、そのまま意識を手放した。