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拍手感謝小ネタ「一松と運転」
※ほぼ会話文です


秋晴れが広がる平日の昼下がり、私と私の彼氏である一松は私の所持する小さな軽自動車で高速道路をひたすらに走っていた。目的地は郊外にある小さな猫カフェ。そこに今ネットで話題の「ましろちゃん」なる白いふわふわの子猫がいるらしいのだ。それをリサーチしてきた私は無類の猫好きである一松を誘い、こうして高速道路をひた走っているのである。


「ねえ、そういえばさ一松って運転できるの?」

「……まあ」

「えっ、うそ!知らなかった!運転してるとこ見たことないし!」

「そもそも車持ってない」

「あっそうだよね、へー、でもできるんだ!運転できる男の人ってなんか素敵〜」

「……ふん」

「でも一松が運転してるとこ見てみたいかも、あとでサービスエリアよるからさ、運転してよ!」

「まあ、いいけど」

「やった!楽しみー、実は彼氏の運転する車の助手席に座るの密かな夢だったんだよね。てかいつの間に教習所行ってたの?全然気付かなかった」

「………」

「一松やる時はやるし、きっとストレートだったんだろうなあ。私なんて仮免一回落ちちゃってさあ、大変だったんだよ」

「へえ」

「あ!てか、免許証ある?一松の免許証の写真見たい!あれすっごい不細工に映るからさ、一松のはどんな感じ?」

「…持ってない」

「あー、そっか。今持ってないかあ。まあそうだよね、普段運転しないもんね。てかそしたら運転しちゃだめじゃん!免許不携帯で点数ひかれちゃうよ」

「……いや、免許証自体ない」

「…えっ?どういうこと?え、家にあるんじゃないの?」

「ない」

「……は?運転できるんじゃないの…?え、じゃあ教習所は…?」

「行ってない。免許もない」

「えっっ、じゃあなんで運転できるなんて言ったの!!?無免許じゃんばかなの?!」

「別に、アクセル踏めば動くしブレーキ踏んだら止まるだろ」

「そんな知識で車運転するつもりだったの!!?!信じらんないっ、免許証見せてって言ってよかった!危うく事故るとこだったよ!!!」

「………」

「てかなんでそんな嘘吐いたのよっ!別に出来ないなら出来ないで、そう言ってくれたらいいじゃん!」

「……お前が」

「えっ、なに?」

「お前が、前に運転できる男はかっこいいっていうから」

「はっ…ばっ、ばかじゃないの!そんな理由で!!?」

「…ごめん」

「……運転できなくても一松はかっこいいよ」

「……ばかじゃん」


馬鹿ップルのような会話に赤面する私たち。このあと、一松の「お前は可愛いよ」という呟きに危うく事故りかけたのは言うまでもない。

おわり。

拍手ありがとうございました。
短編にするまでもない小ネタでした。
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