ペンデュラムの謎  



「しかし、地上で煌鋼を見つけるなんて珍しいよな。鉱物の産地とはいえ、採掘は大変だって聞いたぜ」
「好物の採掘は、山師と呼ばれる職人たちの技術や経験がものを言う。同じ鉱物が発見された土地の水質や植物などを調べ、似た環境にあつ土地へ行って、鉱脈を採るのが常だ」
「それでも見つからないこともあるんだから大ばくちだよな。もっと簡単な方法はないのか?」
「……ペンデュラムを使って、地下水や金属のありかを採る方法もあるって、本で読んだことがある」
「ダウジングじゃな」
「ダウジング?何だよそれ」
「ペンデュラムを地面に向けてぶら下げて、マギンプイ♪まじないを唱えるとあら不思議!」
「それはどーでもよくなるおまじないだろ?」
「先っぽについておる鉱物が、金銀財宝やら地底湖やらをクンクン・ワン!と嗅ぎ当ててくれるのじゃ」
「無視かよ……」
「眉唾ね」
「占いと同じで、当たるも八卦、当たらぬも八卦。山師の名には、ばくち打ちの意味も含まれておる」
「何でそんな占いの道具みたいなものをザビーダのやつは武器に使ってるんだ?」
「奴は戦闘中、風で振り子の軌道を制御していた。鞭や縄よりペンデュラムの方が風で操り易いんだろう」
「なるほどなぁ。面白い技を考えたもんだ」
「え?縄とかの方がいい気がするけど、何でペンデュラムがいいの?」
「自身の力の強化だ。聖隷には大きく分けて地水火風、四つの属性があり、それぞれの属性とは相克関係にある」
「へぇー」
「風は地を克する。風の聖隷であるザビーダが地属性の鉱物を手にすることで、力を強化できるんだ」
「そういうことかぁ」
(聖隷がそのようなことまで計算を……)
「ペンデュラムが聖隷の力に反応するなら、ダウジングで鉱脈を見つけることもできそうだね」
「ああ、あながち馬鹿にしたものじゃない。そして、ザビーダの野郎もふざけた口を叩いているが、戦いに関しては、機密で計算高い」
「小難しいことを考えて武器を使っておるんじゃの〜」
「お前は考えてないのか?」
「考えておるわい、愛しきヒトのことを〜」
「えっマジ!?」
「名無、騙されないの。あんたは何も考えず、ただふざけてるだけみたいね」


 


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